何かにつけて対抗心 他人の成功ねたむ人の面倒くささ
タイプ2・強烈な比較意識をもつ

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かかわると面倒くさい人はどこにでもいる。心理学者の榎本博明氏はその著書「かかわると面倒くさい人」(日経プレミアシリーズ)で、「何とかうまくかわす術を身につければ、心のエネルギーを吸い取られずにすむ」とアドバイスする。そのためにはまず「行動パターンやその背後で作動している心理メカニズムを知ることが必要だ」という。そこで、私たちの身の回りでよく見かける典型的な面倒くさい人10タイプを、同書から紹介する。
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何かにつけてやたら対抗心を燃やす人もいる。
自分の担当分の仕事が終わり、帰ろうとしたら、仲間がまだ必死になって作業しているのに気づく。1時間後に家族と待ち合わせがあるものの、まだ時間があったため、
「手伝おうか?」
と声をかけると、
「ありがとう、でも大丈夫。お疲れー」
と言うので、そのまま会社を出て、街で時間を潰した。
翌週、出社すると、親しい仲間から廊下に呼び出され、
「お前、先週末にあいつと何トラブったんだ?」
と言われるが、まったく心当たりはない。そこで、逆に事情を聞くと、
「残業をしていたら、『まだできないのか、手際が悪いな』とバカにしてきた」
と周囲に言い触らしていることがわかった。
親しい仲間は信じてくれたけど、ほとんどの人はこちらに真相の確認などしてこないため釈明する機会もない。非常に気分が悪くなった。親切心で声をかけたのに、裏切られたような気分だ。そのようにこぼす人がいる。
なぜこんなことになるかと言えば、声をかけられた側に、強烈な比較意識と対抗心があるからだ。
純粋に親切心から出た「手伝おうか?」という言葉も、そのような心をもっているとマウンティングと受け止められる。そこで、
「自分の仕事の手際の良さを誇示してきた」
「まだ終わらないのか、って、人のことを見下してきた」
「自分は手際よく仕事をこなしているって感じで、いい気になっている」
といった反応になる。