福島県内の子供、年1ミリシーベルト以下に 放射線量で文科省方針
文部科学省は27日、福島県内の学校に通う子供が受ける放射線量を年間1ミリシーベルト以下にすることを目指し、低減策に取り組む方針を明らかにした。ただ、屋外活動を制限する毎時3.8マイクロシーベルト、年換算で20ミリシーベルトの暫定基準は撤回せず、夏休みとしている見直し時期も変更しない。
国際放射線防護委員会(ICRP)は一般の人が平常時に浴びてもよい線量を年1ミリシーベルト以下としている。これに従うと屋外活動の制限対象になる学校が多数に上ることが見込まれ、同省はすぐに引き下げるのは現実的ではないとみている。
一方で保護者らの不安が強いことを踏まえ、1ミリシーベルト以下を目標にする姿勢を明確に示す必要があると判断した。今後、専門家の意見を聞いて線量の低減策を検討する。
また、線量低減のため校庭や園庭の表土を除去した県内の教育施設について、国が費用のほぼ全額を補助することも決めた。校庭などで毎時1マイクロシーベルト以上を計測した施設が対象になる。県内の全学校などに積算線量計を配布し、6月から計測を始める。