過敏症になり退職、慶応大に賠償命令 元助手が訴え
元慶応大助手の女性(43)が、仮設棟での勤務でシックハウス症候群や化学物質過敏症になり退職を余儀なくされたとして、大学側に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は19日までに、業務に伴い過敏症を発症したと認め、約445万円の支払いを命じた。
高世三郎裁判長は「勤務場所は、全ての揮発性有機化合物(TVOC)の総量が厚生労働省の定める暫定目標値を大幅に超えていた」と認定。これらの物質が発症の原因になったとし、大学側が安全配慮義務を欠いていたと判断した。
判決によると、女性は2002年4月、慶応大に採用され、新校舎建設のため仮設棟で勤務。体調不良で欠勤がちとなり、03年に退職した。その後、化学物質過敏症と診断された。〔共同〕