「五輪と企業」まとめ読み 試合伝える通信、警備に磨き
日経産業新聞のシリーズ連載「五輪と企業」では、東京五輪・パラリンピックを契機に技術やサービスに磨きをかける企業の現場に迫ります。安全な大会運営や映像を通じた観戦、選手の競技や表彰などのために各企業がどう準備して臨んだのか、まとめました。
NTTが五輪・パラに向け開発した映像・通信技術は、遠く離れた試合会場での競技を目の前でプレーしているかのように再現する。高速通信規格(5G)によるデータ伝送と、高精細映像の抽出や合成とを組み合わせる。スポーツなどのライブを臨場感あふれるリアルに近い体験へと変え、付加価値を高める。
セコムなどが先端技術を駆使した警備体制の構築を急いでいる。自律走行の警備ロボットが空港や競技場で不審物を探したり、不審者を見つけて煙を噴射したりする。五輪・パラは多くの会場で無観客となったが、競技・種目や選手数は過去最大規模で安全を守ることが欠かせない。
五輪・パラ競泳種目の舞台裏では、ミズノなどスポーツ用品各社が水着開発にしのぎを削る。日本競泳女子で初めて同一大会で2つの金メダルを獲得した大橋悠依選手も着用した水着は、選手自身の泳ぐ力を引き出し、動きやすさも追求するのが特徴だ。スイマーの注目を集め海外も含めた需要を掘り起こす。
五輪・パラで、企業のリサイクルの技術が花開く。日用品大手の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や慶応大学などのプロジェクトチームは、全国で使用済みプラスチック25トンを回収し、3次元(3D)プリンターを使って表彰台98台に生まれ変わらせた。日本発の循環型社会モデルを世界に発信する。
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