日米韓、北朝鮮核脅威へ共同対処 4年9カ月ぶり首脳会談
【マドリード=甲原潤之介、竹内悠介】日米韓3カ国の首脳は29日午後(日本時間同日夜)、スペインで20分ほど会談した。北朝鮮の核の脅威へ日米韓が共同で対処すると確認した。対面での協議は4年9カ月ぶりとなる。
岸田文雄首相は冒頭、北朝鮮の核実験に「共同訓練含め日米韓で対応したい」と語った。バイデン米大統領は朝鮮半島の非核化に向け「3カ国協力は不可欠だ」と述べた。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領も「協力の重要性が高まった」と強調した。
韓国大統領府によると北朝鮮の核・ミサイルへの対応で3カ国の安保協力の水準を高めると合意した。3カ国はミサイル迎撃網を強化し変則軌道のミサイルでも撃ち落とせる体制づくりを急ぐ方針だ。レーダーなどの探知技術と迎撃システムを組み合わせる。
北朝鮮に核を使用させないため、米国の核兵器によって日韓を守る「拡大抑止(核の傘)」の強化も確かめた。米政府によるとバイデン氏は日韓双方の防衛義務について「揺るぎない」と言及した。
日本政府は首相が北朝鮮による日本人拉致問題について理解と協力を求め、米韓両首脳の支持を得たと発表した。
日米韓の首脳会談は北朝鮮との非核化交渉を本格化させる前の2017年以来となる。尹政権の発足後、米国が日韓に関係改善を促していた。6月に入り日米韓の防衛相や外務次官などの対話を再開させた。
北朝鮮は22年に入り少なくとも28発の弾道ミサイルを発射し、年間の最多発射数を更新した。米国を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)と日韓を狙う短中距離のミサイルの同時発射も試した。
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金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。