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米半導体、復権へ始動 インテル背水の2兆円新工場

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米国が半導体産業の復権に向けて動き出した。バイデン政権が国内生産の回帰策を掲げるなか、大手のインテルは約2兆円を投じて新工場を米国に建設する。あわせて他社開発品を量産する受託生産事業にも乗り出す。半導体はデジタル社会を支える中核製品だが、最先端の開発製造ノウハウは生産シェアで勝る台湾と韓国勢に流れがちだ。国をあげた技術覇権の競争が本格化する。

インテルは23日、今後数年間で200億㌦(約2兆1700億円)を投じ、米西部のアリゾナ州に新工場を建設すると発表した。2024年の稼働を目指し、パソコン向けCPU(中央演算処理装置)などに使われる回路線幅が7㌨(㌨は10億分の1)㍍程度の先端の半導体生産を狙う。

同社は7ナノ開発で出遅れており今回は巻き返しに向けた巨額投資となる。

ライバルはその先を行く。今年のトップ3社の設備投資額を比較すると、台湾積体電路製造(TSMC)は280億㌦、韓国サムスン電子もほぼ同額。インテルの投資は約1兆円も少ない。

現在、半導体の生産量と技術力で業界をリードするのがTSMCとサムスン電子だ。受託生産売上高ではTSMCはシェアで5割を超える。微細化でも2社は7㌨より1世代先の「5㌨品」を既に量産し、商品投入も昨年から始まっている。

TSMCの5㌨品は昨秋から、米アップルのスマホ「iPhone12」向けに全量供給がスタートした。他社を寄せ付けない大型投資は、技術力を維持して優良顧客をひき付ける最重要の戦略だ。

90年代にパソコン向けのCPUで世界の技術をけん引したインテルだが、00年代に入って勢いを失った。同社は開発から生産までを自社で完結する垂直統合型のビジネスモデルを採用。当時は、米クアルコムなどによる工場を持たないファブレス経営が台頭し始めていたが、インテルは他社のための生産は手掛けずに自社製品に特化する経営戦略をとってきた。

ファブレス企業の受け皿となったのがTSMCやサムスンで、TSMCの場合は半導体生産をあえて本業とした。生産受託企業は請け負う半導体も家電からスマホ、自動車と幅広い。世界から自然と顧客や有力取引先が集まり、技術的なノウハウの蓄積も進んだ。

好循環は高い技術力がものを言う次世代半導体の開発生産で顕著だ。5~7ナノ以降の先端半導体の生産に欠かせないとされるEUV(極端紫外線)露光装置は品薄が続くが、TSMCとサムスンは同装置を手掛けるオランダの世界大手の半導体装置メーカーASMLと太いパイプを築いている。

TSMCは5ナノからさらに1世代先の「3㌨品」の開発も大詰めを迎えている。加えて24年には、さらにその先の「2㌨品」の量産を始め現在、台湾・新竹で新工場の建設準備が進む。

インテルの競争力低下に危機感を募らせたのが米政府だ。「雇用を創出し、安全保障やサプライチェーン(供給網)を強化できる」。レモンド商務長官はインテルが23日開いた記者発表に参加し、今回の計画を称賛した。

米政府は半導体産業を重視する。バイデン大統領は2月、半導体などの供給網を見直す大統領令に署名した。同時に、議会が今年度の国防権限法に盛り込んだ半導体の投資支援策を支持した。補助金などに370億ドルを計上するよう議会に求めた。

政権・議会が国産強化を急ぐのは、供給網の中国リスクが高まっているためだ。ボストン・コンサルティング・グループによると、米国の生産シェアは1990年の37%から2020年の12%まで低下した。22%と最大の台湾には地政学上のリスクがある。巨額の補助金を投じる中国は30年に24%と最大になると予測されている。

バイデン政権の意向に沿うようにインテルは今回、受託生産を本格的に始めると表明した。「投資の割にリスクが大きい」と距離を置いてきた事業だが、ファブレス企業が米国での生産委託先を求めるならば事業の採算性が高まる。

半導体事業への参入を模索するマイクロソフトとIBMの最高経営責任者(CEO)はインテルの発表会にリモート出演し歓迎のコメントを出した。

半導体は戦闘機や人工衛星にも使われ、軍事でも欠かせない。トランプ前政権でも国防総省がインテルと工場新設に向けた協議を重ねた。1月のバイデン政権発足と同時に、世界的な半導体不足が深刻となったことで「危機感が一気に高まった」(米政府関係者)。

技術大国としての復活をかけた官民一体のプロジェクトが始まった。

(台北=中村裕、ワシントン=鳳山太成)

先端品の生産、海外勢を誘致 装置・素材に強み

かつては世界一の座を誇った日本の半導体メーカーだが、いまや先端開発を巡る競争では遅れが目立つ。米国のように自前で先端品の生産を進めることは難しい。一方、半導体の進化を支える製造装置や半導体材料の分野では、なお大きな存在感がある。こうした強みを生かし、海外メーカーの誘致による国内での量産をめざす。

東京エレクトロンは半導体ウエハーに回路を作るため、光に反応する薬品を塗って現像する装置「コータ・デベロッパ」で9割の世界シェアを持つ。半導体の基本材料となるシリコンウエハーでは信越化学工業とSUMCOの2社で約6割だ。

JSRや東京応化工業などが手掛けるフォトレジスト(感光性樹脂)と呼ぶ素材は日本勢が9割前後のシェアを誇る。

装置メーカーは主要な半導体メーカーとつながりを持ち、開発段階からかかわることで取引を維持している。素材メーカーは合成のノウハウなどに強みがあり他社の参入が難しい。

経済産業省は24日夜、半導体産業の競争力を高めるための課題や方策を議論する会合を開いた。富士通やNEC、半導体大手のルネサスエレクトロニクスなどが参加した。

経産省は会合で、製造装置や材料などの競争力をさらに磨く一方、先端品の生産は海外メーカーの工場を誘致して国内に量産体制を築く構想を示した。米国などは国内生産の強化に大規模な補助金を出している。経産省は「日本も手を打たなければいけない」として補助金などの増額を検討する考えも示した。

会議に出席した梶山弘志経産相は「ルネサスやTSMCの生産動向は世界の製造業の工場稼働率に直結する。強じんな半導体産業を持つことが国家の命運を握る」と強調した。日本の現状に「強い危機感を持っている。大胆な政策を打ちたい」と話した。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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