連休明け、通勤混雑変わらず 「満員電車怖い」
新型コロナウイルスの緊急事態宣言下で迎えた大型連休が終わり、6日朝、都心部の駅に通勤客の姿が戻った。連休中の旅行や帰省は自粛を求められ、土産袋を持って職場に向かう人は少ないものの、テレワークが呼びかけられる中でも電車の混雑ぶりは大きく変わっていない。「満員電車が怖い」という声も漏れた。
JR東京駅前は6日朝、多くの人々が行き交った。さいたま市の男性会社員(23)は午前7時半からの時差出勤のため早めに家を出たが、電車は他の客と触れ合うほど混雑したという。連休中は遠出は避け、近場でキャンプなどをしていたといい「仕事と感染対策に気を引き締めたい」と語った。
JR東日本は緊急事態宣言や東京都の要請などを踏まえて通勤時間帯の列車を減便。朝は午前7時~9時ごろを中心に山手線など7路線を対象に通常の8割程度の本数に抑えたという。東京メトロや私鉄各社も通勤時間帯に一部を運休するなどしている。
JR新宿駅の改札口前も通勤客で混み合い、会社員の男性(51)は「人の流れは宣言前と変わらない」と話す。勤務先も在宅勤務の比率を6割とする目標があるというが「実際には目標より多くの同僚が出勤していると感じる。満員電車は怖い」という。
同駅近くに勤める30代男性会社員は連休中、自宅で映画などを見て過ごした。4都府県を対象に4月25日から適用されている緊急事態宣言は延長も検討されており、「感染対策を続けているのに、またかという思い。早く終わってほしい」と漏らした。
高水準の新規感染確認が続く大阪府。JR大阪駅では午前8時すぎ、マスク姿の通勤客らが足早に改札を通り過ぎて行った。
大阪府守口市の女性会社員(55)は「連休中はずっと家で掃除をしたり、映画を見たりしていた」と振り返る。自宅からは業務関連のサーバーにアクセスできないため、在宅勤務が難しいという。「昼食は飲食店が混雑する時間帯を避けてとるなど、感染対策を徹底する」と話す。
同府枚方市の男性会社員(60)は連休中、府内にある妻の実家に行ったほかは自宅で過ごしたという。緊急事態宣言の発令中は週2回在宅勤務を行い、オンライン会議での打ち合わせも多い。「対面でのやりとりでないと、自分の意図が伝わったのかよく分からない時がある。同僚との意思疎通に支障が出ないか気がかりだ」とため息をついた。
在宅勤務が続く家庭では、子どもの保育で悩む声も聞かれる。東京都中央区は緊急事態宣言を受け、保育所の利用者に向けて、家庭での保育が可能な場合には登園自粛を要請した。夫婦で在宅勤務中という同区の男性会社員(36)は対応に悩んだ結果、6日以降も長女(3)を登園させることを決めた。
昨年4~5月の宣言中は夫婦で交代しながら長女の面倒を見ていたが、テレビ会議なども多く仕事への影響が大きいという。男性は「感染対策には協力したいが、漠然と自粛を求められるだけでは難しい。1日おきに登園日を設定するなど具体的な要請があれば対応しやすい」と話した。
新型コロナ対応をする東京都庁の福祉保健局の職員は「連休という感じはなかった」。都では連休中も多くの感染報告があり「休むのは簡単ではなかった」という。立場上、外出も自粛し「休めた日も家の掃除をして過ごした」と話した。
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