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ニクソン・ショックから50年、豊かになった?

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2021年8月2日の日本経済新聞朝刊1面に「マネーと経済、切れた連動」という記事がありました。通貨のルールが大きく変わったニクソン・ショックから50年がたちました。お金は増えましたが、豊かさにつながったでしょうか。

ここが気になる

各国通貨の信用は基軸通貨のドルが金と交換できることで裏付けられていました。1971年に米国のニクソン大統領は交換の停止を発表。国は金の保有量に縛られずに通貨を発行できるようになりました。「1ドル=360円」のようにドルに固定されていた主要国の通貨は、その後の協議などを経て「変動相場制」に移りました。

「金の足かせ」が外れて通貨の量が増え、お金が行き渡って経済成長に弾みがつきました。1990年代までドルの供給量と米国のGDPは連動して高まりました。お金が消費や賃金ではなく、株などの金融資産に集まるようになり、経済を潤す力は弱まりました。2010年以降はドルの供給量が2.4倍に増えても米国のGDPは1.6倍どまりです。

格差の拡大という副作用もあります。株価を押し上げて富裕層を豊かにする一方、低所得層には恩恵が少ないからです。労働者の平均賃金も伸び悩んでいます。国境を越えた投資を増やした変動相場制は、為替の急変で通貨危機をもたらす負の側面をもちます。通貨政策を担う各国の中央銀行は、豊かさを生むお金の姿を模索しています。

若手編集者が同世代にむけて新聞の読みどころを発信する「朝刊1面を読もう/Morning Briefing」は平日朝に公開します。週末は1週間のニュースを振り返る動画を配信しています。
この記事をまとめた人:遠藤智之
2016年入社。科学技術などの取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。7月の五輪競技ツイートは卓球の混合ダブルス「金」が最多だったそうです。ツイート数ゼロの私も思わずつぶやきたくなる熱戦でした。

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