パナソニックの新型EV電池、どこに強み?
ここが気になる
EV普及を阻む課題の1つが1回の充電で走れる距離の短さです。走行距離を決めるのは車載電池という部品で、EVコスト全体の3割を占めます。パナソニックの新型電池は走行距離を2割長くでき、重量あたりで世界最長水準になるとみられています。800億円前後を投じて和歌山工場に建屋を増設し、量産設備を導入します。
材料や製造工程を見直して電池の直径を2倍、容量を5倍に増やします。生産を効率化できるため、容量あたりのコストも1~2割下がる見通しです。まずアメリカのテスラに供給し、仮に同社の高級セダン「モデルS」に搭載されれば、1回の充電で走る距離は現在の650キロメートルから750キロメートルに伸びる計算です。
EV電池の開発競争は激しくなっています。最大のシェアを持つ中国CATLや2位の韓国LGは足元で投資に力を入れます。日本でもトヨタが30年までに2兆円規模を投資します。3位のパナソニックはテスラへの電池の独占供給をCATLとLG化学に崩され、シェアを落とした経緯があります。今回の新型電池で巻き返しを狙います。
2016年入社。日銀・金融市場の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。ビットコインが最高値から半値に下がっています。昔、先輩記者が「ビットコインで1週間生活」に挑戦し、電車や自販機を使えず大苦戦していました。
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