京急、長距離バスから撤退 東北・四国・山陰路線
京浜急行電鉄は、グループのバス事業で首都圏と東北、四国、山陰の各地方を結ぶ長距離の夜行バスから事実上撤退する。新型コロナウイルスで旅行需要が減少していることを踏まえ、休止や廃止を決定。一部はそれぞれ共同運行していたバス会社の単独運行に切り替える。
3月16日から横浜駅と品川バスターミナルを発着する長距離バスの運行を大幅に見直す。青森県発着の「ノクターン号」、岩手県発着の「ビーム1号」は京急としての運行を取りやめる。現在は運休中だが、それぞれ共同運行先の弘南バス、岩手県北自動車は運行を継続する。鳥取県とを結ぶ「キャメル号」は路線自体を廃止し、徳島県への「エディ号」は運行休止だが事実上の廃止となる。
バス業界では新型コロナの影響が広がる前から、長距離路線の人手不足などが課題となっていた。京急によると、新型コロナの影響による旅客需要の変動と社会環境の変化のため廃止などを決めたという。
長距離以外の路線でもコロナの影響が出ており、京急は栃木県の日光・鬼怒川温泉や茨城県の鹿島神宮などへの高速バスの運行からも撤退する。訪日外国人客の大幅な減少などにより、羽田空港と首都圏各地を結ぶ路線なども多くが減便や休止を余儀なくされている。