次世代新幹線が試験走行 JR東、時速380キロ到達
JR東日本が次世代新幹線の開発に向けた新型試験車両「ALFA-X(アルファエックス)」の試験走行を重ねている。東北新幹線の仙台―新青森間で週2回ほど実施しており、27日深夜、報道関係者に公開した。現在の新幹線より40キロ速い最高速度360キロでの営業運転が目標で、試験では400キロに達したこともある。今回は380キロに到達した。
午後11時40分ごろ、仙台駅を出発したALFA-Xは、スピードを上げて走行し、28日午前0時ごろ、最高速度382キロを記録した。
盛岡駅に到着後、取材に応じたJR東の浅野浩二・先端鉄道システム開発センター所長は「約1年半試験を繰り返し、ある程度安定走行できるようになった。今後、乗り心地向上や騒音対策を進めたい」と話した。
JR東によると、試験車両は10両編成で、総工費約100億円をかけ、昨年に完成した。トンネル突入時の風圧の違いを分析するため、先端の「鼻」の長さは1号車で約16メートル、10号車で約22メートルと異なる。中間車両は窓の大きさや数がさまざまとなっている。
試験走行は昨年5月から開始。走行時の安定性や座席の乗り心地、車内外の騒音などを確かめる「フェーズ1」の試験を2022年3月まで続ける。その後は車両の耐久性を確かめ、新しいサービスを開発する「フェーズ2」に移行。北海道新幹線の札幌延伸が予定される31年春までに導入したい考えだ。〔共同〕