NY商品、原油が大幅反発 トランプ大統領の早期退院の観測で 金は反発
【NQNニューヨーク=戸部実華】5日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3営業日ぶりに反発した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は前週末比2.17ドル(5.9%)高の1バレル39.22ドルで取引を終えた。新型コロナウイルスに感染して入院中のトランプ米大統領が5日に退院する見通しと伝わった。投資家のリスク回避姿勢が後退し、原油先物には買いが優勢となった。
2日に入院したトランプ氏の早期退院の観測を受け、米政治の混乱への過度な警戒感が和らいだ。米与野党が協議を続ける追加経済対策の合意期待も市場心理を支えた。
米主要株価指数がそろって上昇し、株式と同様にリスク資産とされる原油先物も買われやすかった。米原油先物は2日に1カ月ぶりの安値を付け、5日は自律反発狙いの買いも入ったようだ。
需給懸念の後退も相場を支えた。米サプライマネジメント協会(ISM)が5日に発表した9月の非製造業景況感指数は2カ月ぶりに上昇し、市場予想もやや上回った。米国のエネルギー需要停滞するとの見方が後退した。ノルウェーの油田がストライキで生産を一部停止し、供給が減るとの観測を招いた。
ニューヨーク金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前週末比12.5ドル(0.7%)高の1トロイオンス1920.1ドルで取引を終えた。外国為替市場でドルがユーロなどに対して売られ、ドルの代替投資先とされる金先物は買いが優勢になった。