ブラジル、中国・英国製ワクチンを承認 接種始まる
【サンパウロ=外山尚之】ブラジルの薬事当局である国家衛生監督庁(ANVISA)は17日、中国の製薬会社、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)と英アストラゼネカが開発した新型コロナウイルスのワクチン2種類について、緊急利用を認めると発表した。これを受け、サンパウロ州ではワクチンの接種が始まった。
ブラジルのボルソナロ大統領はアストラゼネカのワクチンを支持しており、過去には政治的に対立するサンパウロ州のドリア知事が推進する中国製ワクチンについて「ブラジル人は(実験用の)モルモットにならない」と批判。ANVISAの判断が注目を集めていた。
ANVISAは17日、複数の専門家の議論の末、全会一致で2種類のワクチンを承認すると発表した。16日にはロシア製のワクチン「スプートニクV」の緊急利用の申請を却下したため、当面は2種類のワクチンを接種することで集団免疫の獲得を目指す。
ブラジルの新型コロナ累計感染者数は16日時点で約845万人で世界で3番目、死者数は約21万人で2番目。2020年12月から感染再拡大が始まっており、北部の工業都市マナウスで医療崩壊が発生するなど、深刻な事態となっている。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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