ファーウェイ、タイに5G研究施設 3年で16億円投資
【バンコク=岸本まりみ】中国の華為技術(ファーウェイ)はバンコクで、高速通信規格「5G」の研究施設を開所した。タイのデジタル経済社会省と組み、5G通信を使ったスタートアップの技術開発などを支援する。ファーウェイは2022年末までに同施設に4億7500万バーツ(約16億円)を投じる計画だ。
研究施設名は「5Gエコシステム・イノベーション・センター」。バンコクのデジタル経済振興公社(DEPA)内に設置した。医療や農業、港湾、教育などの分野で5G通信を使った技術の導入を目指す実験の場とする。
ファーウェイ・タイランドのアベル・デン最高経営責任者(CEO)は「(5G研究施設は)東南アジアではタイが初めて。地域にとって重要なマイルストーンになる」と語った。
ファーウェイ製品を巡っては、安全保障上の懸念があるとして、トランプ米政権が圧力を強めている。ただ、タイはファーウェイ製品を排除しない方針を示してきた。タイのプラユット首相の代理として開所式に出席したプッティポン・デジタル経済社会相は「すべてのオペレーターに門戸は開かれている」と述べ、ファーウェイに限定した協力枠組みではないことを強調した。
タイは2月、携帯通信大手向けに5Gの電波オークションを実施し、3月から一部で商用化が始まった。通信機器のメーカーは公表していないが、実証実験ではファーウェイ製品を使っていた。