インド、中国系アプリ3度目の禁止 アリババ系など 追加制裁か
インド政府は24日、中国ネット通販大手のアリババ集団や騰訊控股(テンセント)系のサービスなど主に中国企業が運営する43アプリを新たに禁止すると発表した。インドは6月と9月にも中国系のアプリを禁止しており、今回が3回目。中国との国境係争地で対立が長期化する中、インドが追加の経済制裁を打ち出したとみられる。
アリババの電子商取引(EC)サイト「アリエクスプレス」やテンセント系の動画配信サービス「We TV」のほか、異性を紹介するマッチングアプリなどが対象だ。インド電子・情報技術省はアプリへの接続を遮断するよう命令を出し、インドの消費者が利用できないようにした。同省は「主権や国防、社会的秩序に損害を与える」と説明した。
インドは6月に動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」など59アプリを、9月にネット検索最大手の百度(バイドゥ)のサービスなど118アプリを禁止しており、今回で合計220のアプリが禁止された。一部メディアによると、アプリを禁止されたアリババ傘下企業はインドの従業員の9割を解雇。インドの措置により、中国企業には一定の経済的打撃があるもようだ。
中国とインドは5月にインド北部の係争地域でにらみ合いを始め、6月には軍事衝突でインド側に死者が出た。両国は閣僚や軍事司令官の対話を続けているが、解決していない。こうした中、インドはアプリ禁止のほか、政府調達から中国企業を実質的に締め出すなど経済制裁を強めている。
今月22日には、ブータン西部のドクラム地方で中国側が道路を建設したとインドの民放NDTVが報じた。ブータンと中国が領有権を争うドクラム地方はインドとの国境にも近く、2017年に中印の両軍が2カ月あまり対峙した。この地域での道路新設は17年の対峙地域への代替ルートとなり得るため、インドは中国側の動きに神経をとがらせている。