中国衛星、165カ国でGPS超え 情報戦は「制脳権」へ
データの世紀 割れるネット(中)
エチオピアの首都、アディスアベバ。住民480万人の多くが個人住所を持たないこの街で、急成長するサービスがある。食事宅配のデリバーアディスだ。
「生ものだからね」。バイク配達員に、日本料理店を営む古賀美夕紀さん(41)が声をかける。月収1万円前後の国で1千円のすしが看板商品だ。移住して13年間。「スマホの位置情報が格段に進歩した。コロナ禍でも何とかやれている」
デリバーアディスはスマホの地図アプリ...
データ資源は21世紀の「新たな石油」といわれる。企業や国の競争力を高め、世界の経済成長の原動力となる。一方、膨大なデータを独占するIT(情報技術)企業への富と力の集中や、人工知能(AI)のデータ分析が人の行動を支配するリスクなど人類が初めて直面する問題も生んだ。
連載企画「データの世紀」とネット社会を巡る一連の調査報道は、大きな可能性と課題をともにはらむデータエコノミーの最前線を追いかけている。