李明博元大統領、収賄で懲役17年確定 韓国最高裁
【ソウル=恩地洋介】韓国大法院(最高裁)は29日、収賄罪に問われ二審で懲役17年などの判決を受けた李明博(イ・ミョンバク)元大統領と検察の上告を棄却し、実刑判決が確定した。罰金130億ウォン(約12億円)と、追徴金57億ウォンも科される。保釈中の李氏は収監される。
韓国では退任後に刑事事件で起訴される大統領経験者が少なくない。実刑判決が確定した元大統領は全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)、朴槿恵(パク・クネ)の3氏に次ぎ、李氏が4人目となる。
韓国検察は文在寅(ムン・ジェイン)政権下の2018年3月に李氏を逮捕、その後起訴した。起訴状によると、李元大統領は07年から11年にかけサムスン電子から賄賂を受け取り、その見返りとして、有罪判決を受けていた同社の李健熙(イ・ゴンヒ)会長に特赦を与えた。
判決は、李氏が実質的に保有する自動車部品メーカーが米国で起こした訴訟費用を、サムスンに肩代わりさせたことが89億ウォンの収賄にあたると認定した。同メーカーに裏金づくりを指示し252億ウォンを横領した罪も認めた。
李元大統領は08~13年に大統領を務めた。経営者出身で経済成長や実利外交を追求したが、終盤の12年に現職大統領として初めて島根県の竹島(韓国名・独島)に上陸し、日韓関係が長期間にわたり悪化した。
李氏の後に政権を担った朴前大統領も、財閥や情報機関から賄賂を受け取った収賄などの罪に問われている。7月の差し戻し控訴審判決では懲役20年、罰金180億ウォンなどの実刑が言い渡され、検察が上告した。これとは別に、18年11月には公職選挙法違反罪で懲役2年の実刑が確定している。