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中国、RCEP署名で高まる存在感 日本はインド取り込めず

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【北京=川手伊織、ワシントン=河浪武史】東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)協定は中国が参加する初の大型自由貿易協定(FTA)となり、同国の存在感を高める。自由化に消極的だった中国の方針転換は、貿易摩擦を強める米国との関係が影響している。一方、米国は大統領選、欧州連合(EU)は英国の離脱を巡り通商交渉への足踏みが続く。

中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)やオーストラリアなどとの間ですでに貿易協定があるが、環太平洋経済連携協定(TPP)など大型FTAには参加していなかった。李克強(リー・クォーチャン)首相は「署名を機に地域経済の一体化がさらに進む」と強調している。

中国は民主党のバイデン前副大統領が次期大統領に就いても、米国の姿勢に大きな変化はないとみている。香港問題などで米国をはじめ海外との摩擦が常態化する中、周辺国との経済的な結びつきを強めて国際的な孤立を防ぎたい考えだ。

習近平(シー・ジンピン)国家主席は4月、経済政策を担う共産党組織、中央財経委員会の会議で「国際的なサプライチェーン(供給網)を我が国に依存させ、供給の断絶によって相手に報復や威嚇できる能力を身につけなければならない」と強調。相手国の対中依存度を高め、影響力を高めたいとの思惑が透ける。

政権交代に揺れる米国では、RCEPの実現で孤立が浮き彫りになるのを懸念する向きがある。バイデン氏はオバマ前政権でTPPを推し進めた一人だ。TPPは同盟国・友好国による中国包囲網が目的だったが、発足を前にトランプ大統領が離脱を決めた。

バイデン氏は日本などと再交渉した上でTPPに復帰する可能性を一時示唆した。ただ民主党は今回の選挙で、政策綱領に「米国の競争力に投資する前に、新たな貿易協定の交渉はしない」と明記したばかりだ。

バイデン氏は政府調達で米国製品を優先する「バイ・アメリカン」なども公約に掲げ、保護主義的な色彩を強めつつある。民主党関係者は「2年後には早くも中間選挙がある。TPPなど野心的な貿易交渉は当面棚上げになる」と話す。

欧州連合(EU)も英国の離脱に伴う通商交渉が難航しており、世界の自由貿易をけん引する状況にはない。

日本はTPPの締結を主導するとともに、米国、欧州との間では貿易協定を発効している。今回、空白だった中国・韓国を含めた大型のFTAを構築でき、世界の自由貿易をリードする立場を手に入れた。貿易額の大きい中国や韓国に輸出をしやすくなるのは、実利面でも意義が大きい。

日本はTPPをはじめ、EU、米国、そして英国との間でデジタル分野の先進的なルールを盛り込んでいる。通商交渉を通じてデータ流通の分野でも主導的な立場を狙うが、RCEPでは中国を取り込むためこれまでのような高いレベルでのルール設定を見送った。

アジアの経済圏を主導しようとする中国への警戒感もある。日本が重視してきたインドは不参加を決めた。日印で協力して中国をけん制する狙いもあったが、今のところ不発に終わっている。

日本との関係が悪化している韓国は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「供給網の回復を土台に、最も早く経済が回復する地域となるだろう」と述べた。中国を巻き込んだ大型FTAであるRCEPの発足は、アジアを軸に世界の自由貿易が転換期を迎えた証左でもある。

中韓輸出で日本企業に恩恵 戦略品の開放には時間も

RCEPでは日本から中国、韓国に輸出する際の関税が大幅に引き下げられる。幅広い日本企業にメリットが生まれ、投資や貿易戦略の見直しが進みそうだ。ただ、中国と競合する戦略品は関税撤廃まで時間がかかる場合も多い。

日本から中国への輸出額は2019年に約14兆7千億円で、半導体や自動車関連が上位に並ぶ。RCEPでは中国向け自動車部品の87%が関税撤廃の対象となり、自動車部品メーカーからは歓迎する声が上がる。ブレーキ部材を中国向けに輸出している曙ブレーキ工業は「関税撤廃でコスト削減につながる」と話す。

アーサー・ディ・リトルジャパンの鈴木裕人パートナーは「日本の自動車メーカーはアジアの拠点間で部品の融通を進めており、域内でサプライチェーンが補完しやすくなるメリットはある」と分析する。

鉄鋼では熱延鋼板など複数の品目で中国向け輸出にかかっている2~6%の関税が撤廃される。日本の鉄鋼メーカーは中国に熱延鋼板を輸出し、現地で加工して自動車メーカーに供給している。JFEスチールは「自動車メーカーなどの生産が活発になれば、販売拡大が期待できる」とする。

中国企業が高性能品の国産化を強める中で、関税撤廃に時間をかけようとする面もある。絶縁材では19年に中国大手の上海エナジーが世界首位となるなど中国勢の躍進が目立つ。負極材ではすでに中国大手3社が世界シェアの5割を占める。

韓国への輸出品は、エアバッグや電子系部品など自動車関連の78%の品目で関税を段階的になくす。

一方、農林水産品については工業品よりも関税の引き下げ幅を小さくした。8年に及んだ交渉をまとめるため、自由化に敏感な各国の農業団体などに配慮した。

日本はコメや麦などいわゆる「重要5品目」を輸入関税の削減・撤廃の対象から外した。日本に輸入する際の農林水産品の関税撤廃率は、東南アジア諸国連合(ASEAN)とオーストラリア、ニュージーランドが61%、中国は56%、韓国は49%にとどまる。環太平洋経済連携協定(TPP)や日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)はそれぞれ82%だった。

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