三菱ケミカルHD社長にギルソン氏 ベルギー出身
三菱グループ主要企業で初の外国人トップ
三菱ケミカルホールディングスは23日、医療素材などを手掛ける仏ロケット社のジョンマーク・ギルソン最高経営責任者(CEO、56)を2021年4月1日付で社長に招く人事を発表した。三菱グループの主要企業で外国人が経営トップに就くのは初めて。新型コロナウイルスで悪化する事業環境を乗り切るため、伝統企業も慣例にこだわらないトップ選びを迫られた。
小林喜光会長(73)は留任し、越智仁社長(68)は21年6月の株主総会で取締役を退任する。越智氏は15年に社長に就き、主要子会社3社の合併や田辺三菱製薬の完全子会社化などに取り組んだ。事業基盤の強化にめどがついたとして、退任を申し出た。
越智氏の意向を受け、指名委員会が後任を探し、ギルソン氏を指名。23日の取締役会で次期社長に決めた。ギルソン氏はベルギー出身で、米国籍も持つ。欧米の化学企業の経営者などを務め、三菱ケミカルHDが成長分野と位置づける高機能素材などに明るい。
同日の記者会見で指名委員会の橋本孝之委員長は「三菱ケミカルHDは3兆円を超える売上高がありながら、時価総額が1兆円ないことに危機感があった」と述べ、改革の必要性を強調。テレビ会議で会見に参加したギルソン氏も「収益性向上にはポートフォリオ改革が必要」と述べた。
- 【連載「三菱とニッポン」】
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