国立競技場、周辺で混雑 「楽しみたい」「感染怖い」
国立競技場(東京・新宿)の周辺には少しでも雰囲気を味わおうと、人だかりができた。交通規制された道路に人があふれるなど「密」状態が目立ち、新型コロナウイルス感染拡大への不安の声も上がった。
開会式が始まる直前の午後8時ごろ、国立競技場の南側にある五輪モニュメントが飾られた広場は人で埋め尽くされた。芝生はブルーシートや飲み物を持ち込んで座り込む人たちも。会社員の中川佑太さん(23)は「とても密になっているので、無観客開催とはいえない」と想像以上の集まり具合に驚いていた。
開会式で花火が上がると拍手と歓声が湧き起こった。スマートフォンなどで写真に収めようと前のめりになり、身動きがとれないほどの混雑に。三重県の50代女性はビデオカメラと三脚を持参し「せっかくやるんだから楽しみたい」と興奮気味に話す一方、「こんなに人が来るのは異常。コロナに感染したら怖い」と不安も漏らした。
開会式終盤になると、飲酒する集団が目立つようになった。酔っ払って騒ぐ若者と、注意する男性を警官がなだめる場面もあり、周囲は一時騒然とした。
終了後は芝生にペットボトルや缶などのごみが転がり、警備にあたるスタッフが持ち帰るようよびかけた。辺りは一斉に駅に向かう人で混雑し「立ち止まらずゆっくり進んでください」との声が響き渡った。
付近では日中から夜にかけ、五輪開催に反対を訴える人も集まった。
警視庁は23日、会場近くで警備中の機動隊員の手首をつかんだとして、過激派「中核派」の活動家、山本進容疑者(40)=福岡市博多区半道橋1=を公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕した。取り調べに対し黙秘しているという。近くでは約70人の中核派の活動家が大会開催に抗議活動をしていた。