米シェブロン、5300億円でシェール企業買収
【ニューヨーク=中山修志】米石油メジャーのシェブロンは20日、米シェール大手のノーブル・エナジーを買収すると発表した。株式交換による買収額は約50億ドル(約5300億円)。新型コロナウイルス危機後の石油業界で最大規模となる。世界的な石油需要の減少でシェール企業の経営は悪化しており、資金力のある大手による買収が加速しそうだ。
シェブロンは2020年末までにノーブルの買収手続きを完了し、年3億ドルのコスト削減につなげる。ノーブル株は前週末終値が9ドル台と、コロナ危機以前のおよそ半値で推移している。シェブロンにとっては割安で同社のシェール利権を取得できる好機だった。
ノーブルは米南部の最大鉱区パーミアンに大規模なシェール油田を保有し、イスラエルにも高収益の海洋油田をもつ。シェブロンはパーミアン開発で競合するエクソンモービルに後れをとっており、ノーブル買収で巻き返しを図る。
コロナ危機による石油需要の低迷でシェール企業は資金繰りが悪化している。4月以降に少なくとも20社以上が経営破綻し、6月には同業界の草分け的存在だったチェサピーク・エナジーも破綻に追い込まれた。今後は資金力のある石油メジャーが安値になった開発利権を狙い、シェール企業を買収するケースが増えそうだ。
関連企業・業界