インターステラ、打ち上げ成功 「商業利用フェーズに」
ロケット開発スタートアップのインターステラテクノロジズ(IST、北海道大樹町)は31日、観測ロケット「MOMO(モモ)」6号機の打ち上げに成功した。同社として初めて2回連続で成功したのを受け、機体の量産体制を整える段階に入る。
ISTの稲川貴大社長は31日の記者会見で「モモロケットは実証実験から本格的な商業利用にフェーズが移る。世界一の低価格と高い信頼性をコンセプトに市場を開拓したい」と語った。
全長約10メートル、直径50センチメートルで重さは約1トンのロケットを、午後5時に大樹町の発射場から打ち上げた。3分後に高度92キロメートルの宇宙空間に到達。10分後に太平洋上に落下した。
機体には高さ約8センチメートルのロボット型フィギュアを搭載した。宇宙空間に放出した後に落下させ、海上で回収する国内の民間企業として初めての試みも成功したという。
ISTの創業者で実業家の堀江貴文氏は「モモをいつでも打ち上げられる状態を維持しながら、ゼロを開発できる体制が整った」と強調した。
ISTは超小型衛星打ち上げ用のロケット「ZERO(ゼロ)」も開発中で、2023年の商用化を目指している。小型衛星は打ち上げ需要が高まっている一方で、打ち上げ機会が少ないことが指摘されている。今後はモモの事業化と並行し、より市場のニーズが高いゼロの開発を加速させられるかどうかが焦点となりそうだ。
これまで打ち上げに6回挑戦し、19年5月の3号機と21年7月3日の7号機が成功していた。