日本郵便、配送ロボットの公道実験を公開
日本郵便は7日、配送ロボットの公道での実証実験を報道陣に公開した。物流分野での配送ロボットの公道実験は国内で初めてで、実験は10月末まで。将来は消費者宅へ配送する「ラストワンマイル」での活用を想定しており、安全性を確認して3年以内の実用化を目指す。
ロボット開発のZMP(東京・文京)製の自動搬送ロボット「デリロ」が東京逓信病院内のコンビニで預かった荷物を約700メートル先の麹町郵便局まで歩道を通行して届けた。途中で横断歩道などがあったが、通行人や電柱を巧みに避けて走行した。この日はZMPのスタッフが近くでデリロを見守ったが、今月中にロボット単体の走行実験も行う予定という。
デリロは縦96センチ横66センチ高さ109センチで車いすほどの大きさ。車体の上部にレーザーを使って映像を撮影する装置を搭載し、実際の映像とあらかじめ読み込んだ3Dマップとを照らし合わせながら走行する。通行人や自転車が1~2メートルの距離まで近づくと自動で止まる機能がある。内部に2リットルペットボトルが8本ほど入るスペースがあり、ここに荷物を収納する。
米国や中国では無人で荷物を配送する仕組みが広がりつつあるが、日本では遅れている。日本郵便は2017年からZMPと配送ロボットの開発に取り組んでおり、他の物流大手もロボット配送の実験に向けて検討を進めている。
実用化には道路交通法などの改正が必要で、政府も整備に向けて動いている。日本郵便オペレーション改革部長の五味儀裕氏は「実用化に向けてようやく第一歩。ロボット配送を早期に実現し、新型コロナ禍で高まっている非接触の要望と物流業界の根強い問題である人手不足の2つを解決したい」と話している。