中国企業が地下鉄整備 マニラ首都圏マカティ市
【マニラ=遠藤淳】フィリピンの中国系不動産会社フィリピン・インフラデブ・ホールディングスは、経済の中心地であるマニラ首都圏マカティ市に地下鉄を整備する。このほど中国の建設会社と工事契約を結んだ。発注額は12億1276万ドル(約1300億円)で、2025年の完成を目指す。

インフラデブは中国国有ゼネコンの中国建築と地下鉄事業に関する工事契約を結んだと発表した。新型コロナウイルスの防疫対策として敷かれた都市封鎖が解除された後、着工する予定だ。
既に中国国有インフラ大手の中国港湾工程などと企業連合を組み、マカティ市に地下鉄を整備することで認可を得ていた。市に提出した計画では総事業費は35億ドルで総延長10キロメートルに10駅を設けるとしたが、アントニオ・ティウ最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞に「当初は8キロメートルに8駅を設ける」と話した。
計画では、企業が集積するマカティ市の中心部に地下鉄を敷設。市役所や住宅地、大型商業施設などを結ぶ。1日あたり70万人の利用を見込んでおり、経済成長を背景に悪化する交通渋滞の緩和につなげる。
これとは別に、マニラでは日本の支援による地下鉄整備事業が動き出している。総延長約35キロメートルで17駅を設け、マカティ市とその周辺都市を結ぶ。インフラデブが建設するマカティ地下鉄とは連携しておらず、日中が地下鉄建設で競う形となる。