中国軍機19機、台湾海峡周辺で威圧的飛行繰り返す
【台北=中村裕】台湾の国防部(国防省)は19日、中国の戦闘機など計19機が同日午前、台湾海峡の中間線を越え、台湾側に侵入するなどの飛行を繰り返したと発表した。異例の多さとなる。台湾の李登輝・元総統の告別式が同時間帯に行われ、それを狙った行為とみられる。
中国軍の戦闘機「殲16」など、少なくとも4機が台湾海峡の中間線を越え、台湾側に入った。さらに中国軍機は台湾と、台湾が実効支配する東沙諸島(台湾南西部)の間を複数回通過し、防空識別圏に入ったことも確認された。
同時間帯には、中国が「中台関係を破壊した」などと批判してきた李登輝氏の告別式が開かれた。蔡英文(ツァイ・インウェン)総統のほか、米国からはクラック国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が訪台し、計約1500人が出席した。
前日の18日夜には蔡総統がクラック国務次官を晩さん会に招いて会談するなど、台湾が米国と急速に接近していることにも反発したとみられる。
中国国防省の任国強報道官は18日、台湾海峡周辺で大規模な軍事演習を同日始めたことを明らかにした。「米国と台湾は共謀して頻繁にトラブルを起こしている」とし、痛烈に批判していた。