米国、アフリカ支援へ1.5億ドル表明 気候変動対策
【ワシントン=飛田臨太郎、シャルムエルシェイク(エジプト北東部)=塙和也】バイデン米大統領は11日、エジプトで開催中の第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)で演説し、アフリカの気候変動対策に1.5億ドル(約200億円)を拠出すると表明した。途上国支援を通じて、米国が気候変動対策をリードする姿勢を示した。
バイデン氏は演説で「最近8年は観測史上最も暑かった。米国ではハリケーン、アフリカでも干ばつなどが猛威を振るっている」と気候変動の影響を強調した。
ロシアによるウクライナ侵攻について「食糧不足、エネルギー危機、世界的なインフレを招いた」と批判。「化石燃料からの転換の必要性を一段と強めた。どの国もエネルギーを武器に使って世界経済を人質にしてはいけない」と訴えた。
支援策には対策として早期警報システムの導入なども盛り込んだ。温暖化ガスの一種であるメタンの排出を2030年までに20年比で30%減らす目標についても各国に協力を要請した。
気候変動はバイデン政権の看板政策の一つで、トランプ前政権が離脱した温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に復帰した。
8日投開票の米中間選挙では連邦議会の下院で野党・共和党が4年ぶりに過半数を奪還する可能性が高まっている。共和党は気候変動対策に慎重な声が多い。法案や予算は下院の審議が必要で、バイデン政権の想定通りに対策を進められるかは不透明だ。
11〜12月にアラブ首長国連邦で第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)を開催します。国際エネルギー機関が提唱した「2030年に再生可能エネルギーの設備容量を3倍にする」目標が主要議題になりそうです。最新のニュースと解説をお届けします。