アマゾン・ベゾス氏のベンチャー、7月に有人宇宙飛行
【シリコンバレー=白石武志】米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が率いる宇宙開発ベンチャーの米ブルーオリジンは5日、自社開発ロケットを使った初の有人宇宙飛行を7月20日に行うと発表した。6人乗りの宇宙船のうち、1人分の座席を競売によって一般に販売する。
打ち上げは同社が開発した再利用可能なロケット「ニューシェパード」を使い、米テキサス州で行う。打ち上げから約3分後に乗員が乗り込んだカプセルを切り離し、宇宙空間の始まりとされる海抜高度100キロメートルの「カーマンライン」を超える。数分間の無重量状態を体験した後、カプセルはパラシュートを使って地表に軟着陸する。打ち上げから着陸までは約10分を予定する。
一般販売する座席の競売は3段階に分けて行う。5月5日から19日にかけては同社のウェブサイト上で金額を公開しない形で入札を行い、誰でも好きな金額で応札できる。19日に入札の途中経過を公開し、それ以降は最高入札額を超えなければ応札できなくする。6月12日に開くオンラインイベントで入札を終了し、落札額は科学技術人材の育成を手掛ける財団に寄付する。
ブルーオリジンは60年前の1961年5月5日に宇宙飛行士のアラン・シェパード氏が米国人として初めて宇宙空間への有人弾道飛行に成功したことにちなみ、今回の計画を5日に発表した。同社のロケットは同氏の業績に敬意を表してニューシェパードと名付けたという。
商業宇宙旅行をめぐっては、英起業家のリチャード・ブランソン氏が率いる米ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスや、米起業家のイーロン・マスク氏が率いる米スペースXもそれぞれ計画を表明し、実現を目指している。
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