英アストラゼネカのワクチン「強い免疫反応」 初期治験
【ロンドン=佐竹実】英製薬大手のアストラゼネカは20日、英オックスフォード大学と開発している新型コロナウイルスのワクチンの初期の臨床試験(治験)で、強い免疫反応を確認したと発表した。ワクチンは9月にも供給を始める予定で、新型コロナ対策としての期待が高まっている。
開発中のワクチンを18~55歳の1077人に投与して反応などを確かめた。ほとんどの人の体内で抗体をつくることが確認され、ワクチンを2回打った人はより強い効果が認められたという。
治験は英国やブラジルなどで進んでおり、日本では8月にも治験をする方向で調整している。アストラゼネカのパスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)は20日に記者会見し、日本へのワクチン供給について「1億回を念頭に政府と交渉している」と述べた。
新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない中、ワクチンに期待が高まっている。米国や中国をはじめ世界中で開発されているが、アストラゼネカのワクチンは医療機関などに9月にも供給する予定で最も早い部類に入る。
英政府が同ワクチンの1億回分の調達にメドをつけたほか、ドイツ、フランス、イタリア、オランダによる「ワクチン同盟」も3億~4億回分を確保するなど、早くも獲得競争が始まっている。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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