東芝が石炭火力の建設から撤退する理由は?
ここが気になる
温暖化ガス削減に向けた取り組みが世界で進んでおり、二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭火力発電所は需要が落ち込んでいます。背景にあるのは2015年に採択されたパリ協定です。世界120以上の国と地域が2050年までにCO2の排出を実質ゼロにする目標に賛同しています。日本も追いかける形で10月、菅義偉首相が同様の目標を表明しました。
東芝は脱炭素の流れを受け、石炭火力発電所の建設について新規受注を止めます。既存設備の修繕に対応するためタービンの生産は続けますが、火力発電事業は大幅に縮小します。今後はより需要が見込める洋上風力発電の風車や次世代太陽電池の研究開発などへの投資を増やします。11月には全国に分散する再生エネの発電所から電力を一括で購入して卸す「仮想発電所」への参入も発表しています。
海外の大手メーカーでも石炭火力事業の縮小が進んでいます。独シーメンスが分社したシーメンス・エナジーのほか、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が新規建設から撤退する方針です。環境対策を重視するESG投資の広がりも再生エネルギーへのシフトを後押ししています。
- 【詳しく知りたい人へ】
2015年入社。保育・女性活躍の取材を経て、コンテンツマーケティングを担当。異論はあるかもしれないが、11月11日は犬の日だと思っている。
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