インドネシア高速鉄道、開業さらに1年延期へ
早くても22年に
【ジャカルタ=地曳航也】インドネシアが中国と建設を進める首都ジャカルタと主要都市バンドンを結ぶ高速鉄道の開業が、現在計画している2021年から1年程度、遅れる見通しになった。アイルランガ経済担当調整相が29日、記者団に明らかにした。新型コロナウイルス対策の財源を捻出するため、インフラ開発事業全体の洗い直しを進めた結果、費用が新たな予算を上回った。
高速鉄道の建設は16年1月に起工式を開いた後、土地収用が進まないなどの理由で工事が遅れ、当初予定していた19年の開業は実現しなかった。目標を21年に再設定したものの、工事の進捗率は現在も50%に届かず、新型コロナの影響で工事を一時中断している。
建設計画では、ジャカルタと西ジャワ州の州都バンドン間の140キロを約45分で結び、総事業費は55億ドル(約5900億円)を見込む。日本も当初、新幹線形式での受注獲得をめざした経緯がある。ジョコ政権は15年、財政負担を求めなかった中国の提案を受け入れた。中国の国営企業が融資し、工事にも関わる。
アイルランガ氏は、日本を共同事業体に入れ、高速鉄道をバンドンから東ジャワ州の国内第2都市、スラバヤに延伸する案にも言及した。日本は現在、ジャカルタとスラバヤの約750キロを結ぶ新たな幹線鉄道計画に協力しており、高速鉄道の延伸への参画は困難との見方が強い。
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