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老いる水道管、全国に13万キロ 更新阻む財政難

(更新)
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全国で水道関連の事故が相次いでいる。10月には和歌山市で水道管が通る橋が崩落して広範囲で断水が発生。首都圏を襲った地震でも漏水事故が起きた。人口減少による水道事業の財政難で老朽化する施設の更新が滞っていることなどが背景にある。耐用年数を超えた水道管は全国に約13万キロある。頻発する事故は対策が進まぬ水道行政に警鐘を鳴らしている。

10月3日、和歌山市の紀の川に架かる「水管橋」が崩落した。市内の約6万戸が断水し、復旧工事を経て断水が解消されるのに1週間ほどかかった。11月下旬になっても水管橋は崩落したまま。近くの道路橋に仮設の水道管が設けられたため通行止めとなり、周辺の別の道路橋では車の混雑が続いた。

「普段、何気なく使う水道のありがたさを痛感した」。市内の女性(79)は振り返る。親戚らに自宅まで車で水を運んでもらったが、トイレや洗濯のたびに重い容器を持ち上げる必要があり「体にこたえたし、心理的にもストレスだった」。100人以上の透析患者がいるクリニックは透析に必要な水を給水車で提供してもらったが、入院患者の入浴や洗濯を制限せざるを得なかった。

市によると、崩落事故は橋のアーチ部分から水道管をつっている鋼管製のつり材が腐食して切れたことが原因とみられる。橋は地方公営企業法施行規則に基づく耐用年数の48年を2023年3月に迎える予定だった。目視による点検の甘さも指摘され、市は調査委員会を設けて原因究明を進める。

10月7日に首都圏で震度5強を観測した地震でも千葉県市原市の川に架かる水管橋の水道管から水が噴き出した。水道管の接続部分を固定するボルトが経年劣化で腐食していたとみられる。

厚生労働省によると、水道管の事故は19年度、全国で約2万件報告された。水道管の法定耐用年数は40年。水道は高度経済成長期の1960~70年代に急速に普及し、多くが更新時期を迎えている。2018年度の総延長約72万キロのうち17.6%にあたる約13万キロが耐用年数を超えている。

一方で、01年度は1.54%だった水道管の年間の更新率は18年度は0.68%に低下した。人口減少や節水の影響で使用水量が減り、料金収入による独立採算制である水道事業の経営が苦しくなったことが要因の一つだ。

行政のスリム化や団塊世代の大量退職で工事に必要な人材も不足している。更新時期を迎える水道の工事計画や管理に遅れが生じている自治体もある。

大阪市では水道管の総延長約5200キロのうち、法定耐用年数を超えた割合が21年3月末時点で51%に達した。20年度の水道事業収益は559億円でピーク時(1998年度)から約4割減り、関わる職員数もピーク時(75年度)の半分以下。市は18~27年度に1000キロの水道管を交換する計画だが「更新できる水道管は年間60~70キロが限界」(担当者)という。

同市は20年10月、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)形式の活用を目指し、約1800キロの水道管を16年間で交換する民間事業者を公募したが、応募した2者が辞退し頓挫した。採算が取れないと判断したもようで先行きの厳しさが透ける。

対策に乗り出す自治体もある。香川県は18年、県内16市町の事業を統合し、県広域水道企業団による全国初の「1県1水道体制」を導入。特に老朽化が進む施設の改修を優先するなど効率的な事業につなげている。

福岡県飯塚市は22年1月、水道料金の平均35%値上げに踏み切る。水道事業は料金収入の低迷で3年連続で赤字。水道管の老朽化が進んでおり、更新や耐震化のために値上げを決めた。

近畿大の浦上拓也教授(公益事業論)は水道事業の広域連携について「各自治体で異なる水道料金の統一などがハードルとなり順調に進んでいない。都道府県がリーダーシップを発揮する必要がある」と指摘。値上げには「住民に十分に説明し理解を得るべきだ」と話す。

(船橋美季、山崎哲哉)

修繕必要な橋、全国2万カ所


生活に身近なインフラの老朽化は水道管だけではない。国土交通省によると、建設後50年が経過した橋梁は2021年3月で全体の32%、トンネルは23%を占め、10年後にそれぞれ57%、37%に増えると推計される。
12年の中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、自治体などの管理者には14年度から5年に1度の定期点検が義務付けられた。橋約2万3800カ所、トンネル約1100カ所が緊急か早期に修繕が必要と判定されているが、同省は財政難や技術系職員の不足などで対応できていない例があるとしている。

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