中国政府、WHOに32億円追加寄付、テドロス氏支持明確に
【北京=多部田俊輔】中国政府は23日、世界保健機関(WHO)に対する寄付を3000万ドル(約32億円)追加すると発表した。WHOの新型コロナウイルスへの対応が「中国寄り」として、トランプ米大統領がWHOへの資金拠出を当面停止すると表明するなか、中国は寄付の追加でテドロス事務局長の運営を支持する姿勢を明確にした格好だ。
中国外務省の耿爽副報道局長が23日の記者会見で「中国はWHOへの寄付によって中国政府と人民のWHOへの支持と信任を具体的に表明する」と述べた。3月に2000万ドルの寄付を決めており、総額は5000万ドルに達する。
WHOは感染症の世界的な拡大を防止するために司令塔の役割を持つ。トランプ大統領は中国からの渡航制限を1月末に打ち出した際に、WHOが反対を表明したことなどからWHOを中国寄りだなどと批判。一方、中国は自国の取り組みを称賛するテドロス事務局長を支持している。
耿爽副報道局長は23日の会見でも「WHOはテドロス事務局長の指導によって、積極的に職務を果たし、感染拡大防止の国際的な協力に重要な役割を果たしている」と述べた。WHOによると、2018~19年の米国による拠出金は全体の約16%を占めており、WHOは支援活動の縮小を余儀なくされる恐れも出ている。
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