JAXAの月探査機、8月26日打ち上げへ H2Aで
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、国の主力大型ロケット「H2A」47号機を8月26日に打ち上げると発表した。JAXAの小型月探査機「SLIM(スリム)」などを搭載する。次世代機「H3」初号機の失敗で停止していた日本のロケット打ち上げが再開する。
H2AはJAXAと三菱重工が共同開発した大型ロケットで、種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げる。打ち上げ時間は8月26日の午前9時34分に設定した。天候不良などに備えた予備期間を9月15日まで設けた。スリムと天文衛星「XRISM(クリズム)」を搭載する。スリムは成功すれば日本初となる月面着陸を目指す。
日本は現在、H2Aと次世代型のH3、小型ロケットの「イプシロン」の3種類を運用する。そのうち、イプシロンの6号機は2022年10月、H3の初号機は23年3月の打ち上げにそれぞれ失敗した。
H2Aは23年1月の46号機で40回連続の打ち上げに成功したが、H3初号機の失敗原因とH2Aの関係を調べるため、47号機を打ち上げられない状態になっていた。JAXAは追加検査などを通じて、H2Aを問題なく打ち上げられると判断した。
イプシロンの後継機「イプシロンS」やH3の2号機の打ち上げ時期は現時点で確定していない。8月26日のH2A打ち上げが、日本のロケット打ち上げを再開する第1弾となる。
また、スリムが挑戦する月面着陸は日本では3度目の挑戦になる。JAXAの超小型探査機「オモテナシ」が22年11月に姿勢制御のトラブルで断念し、民間企業ispace(アイスペース)は23年4月末に挑戦したが、高度の計測を誤って着陸船は月面に衝突した。
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)が手掛ける大型ロケット「H2A」や新型ロケット「H3」、イーロン・マスク氏が率いるスペースXなど、世界中で官民が宇宙開発競争を繰り広げています。ロケット開発や実験、衛星など最新ニュースをまとめました。