シリコン強国再興に挑む 「半導体が分かる」まとめ読み
日本の半導体産業の再興に向けた官民の総力戦が動き出しました。トヨタ自動車やNTT、ソニーグループなど8社が出資する新会社「Rapidus(ラピダス)」が11日に会見し、2027年に次世代半導体の量産を目指す方針を明らかにしました。日本政府も最先端の半導体の国産化を前面に出て支援します。
日本は1980年代後半には世界の半導体シェアの5割を占めて世界を席巻しました。今では自動車の自動運転や人工知能(AI)の「頭脳」を担うロジック半導体の製造を台湾や韓国に依存するなど、国際競争力が著しく低下しています。地政学リスクが高まるなか、米国とも連携して半導体サプライチェーン(供給網)を作り直す戦略です。
日経電子版では経済安全保障のカギを握る半導体の技術や産業動向を考えるため、ビジュアルデータを駆使した連載企画「半導体が分かる」を展開しています。経済安保の生命線となった半導体産業を巡り、どのような動きが起きているのでしょうか。連載企画をまとめました(リンク先の記事は公開日時点の内容です)。
半導体が分かる(1)「品不足」「台湾頼み」のワケ
半導体は電気を使うあらゆる製品に使われる。供給不足や値上がりの影響は、自動車やエレクトロニクスなど様々な業界に世界規模で及ぶ。最先端の製造工場は台湾に集中しており、米中の覇権争いの焦点ともなっている。経済やテクノロジーのニュースを理解するうえで欠かせない半導体についてビジュアルに解説する。
半導体が分かる(2)世界で過熱する工場誘致合戦
日本をはじめとした世界各国・地域が、半導体工場への投資を後押ししている。世界的な分業体制を築いてきた半導体産業だが、なぜ政府が資金を出して工場を誘致しようとしているのか。日本を中心に3つのポイントを解説する。
半導体が分かる(3)ムーアの法則の先へ カギ握る製造装置
「半導体の性能は約2年で2倍になる」。インテル創業者、ゴードン・ムーアの見いだした法則通りのペースで、半導体の性能は上がってきた。半世紀続いた進化が壁にぶつかりつつあるなか、技術開発のキープレーヤーとなる半導体製造装置メーカーについてビジュアルに解説する。
半導体が分かる(4)半導体不足が終わる? シリコンサイクルを解説
半導体業界の好況と不況の循環は「シリコンサイクル」と呼ばれている。名前が付くほど注目されている理由は、生産量や価格の変動が激しく、景気全体に与える影響も大きいからだ。新型コロナウイルス禍で半導体不足が続いてきたが、転調の色が濃くなっている。活況は終わるのか。なぜ変動が激しいのか、サイクルが生まれる仕組みから分かりやすく解説する。
半導体が分かる(5)脱炭素・EVで活況 パワー半導体を解説
脱炭素が世界的な潮流となる中で、キーデバイスとして注目を集めるのが「パワー半導体」だ。モーターを回すにも、充電をするにも欠かせない電気の「制御」を担っている。電気自動車(EV)という大きな市場の立ち上がりで、市場の拡大や次世代素材の商用化が加速しはじめた。半導体市場全体では不況期に入っているが、パワー半導体の需要は底堅い。役割や仕組み、今後の展望についてみていこう。
経済やテクノロジーのニュースを理解するうえで欠かせない半導体についてビジュアルに解説します。