バルミューダの純利益99.8%減 22年12月期、円安で
新興家電メーカーのバルミューダは8日、2022年12月期の連結純利益が前期比99.8%減の200万円になりそうだと発表した。46%減の5億5000万円としていた従来予想から引き下げ、前期(10億円)を大幅に下回る。円安の進行で売上高原価率が悪化するほか、掃除機の在庫評価損を計上する。広告宣伝費を前期比で2割近く削減するなどコスト削減を進めるが補えない。
営業利益は前期比93%減の1億円と、従来予想から7億円引き下げる。同社は商品開発やデザインに特化し、製造機能を持たない「ファブレス」の企業で、生産は海外に委託している。
従来予想を策定時に1ドル=110円台前半だった為替レートが円安に振れたことで、海外からの仕入れ原価が高騰。売上高原価率は約69%と、期初想定から6ポイント以上上昇する。在庫過剰などの影響で掃除機の在庫評価損として9800万円を計上する。
キッチン家電の新製品や海外での売り上げが堅調なことから、売上高は前期比微増の184億円としていた従来予想を据え置く。
寺尾玄社長は同日の決算説明会で「為替変動や巣ごもり需要の終わり、物価高で高級家電にお金が回らなくなっている」と事業環境の悪化を指摘。対策として設計変更によるコストの削減や、円安の恩恵を受けられる海外展開を拡大する方針を示した。
同日発表した22年1~9月期連結決算は、純利益が前年同期比84%減の4300万円だった。韓国でのキッチン家電の販売好調もあり、売上高は13%増の124億円と増収を確保した。