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高齢化・人口減少社会では、こうした既存施設をいかに賢くメンテしアップデートし、時には断捨離するかという「引き算の発想」が重要ですね。 その決め手となるマンションなど区分所有法の改正案は、今国会に提出される予定でした。建て替え決議の要件緩和のほか、日常の修繕などを集会で決める普通決議に所有者全員の過半数の賛成が必要なところ、出席者の多数決で決められる、などの内容です。 しかし審議時間が十分取れず、今国会では提出を見送ると報道されましたね。政治倫理など重要テーマが多いことは間違いありませんが、地域や住民の未来にとって生命線になる改正が先送りにならない工夫を、政府には求めたいと思います。
国の「持続可能な物流の実現に向けた検討会」で、何も対策がなければ輸送能力は2024年に14.2%不足する。通信販売やデリバリーが増加する流れは強まる一方だから、この輸送能力不足の問題は大きな支障を来す。問題解決にはドローンの導入や置き配適用を増やすなども含め、なんでも講じておくべきであろう。ドライバーの報酬をあげて人材の確保を進めることもそう。そうした原資にも価格転嫁は有効だから、運ぶものに対する値上がりも自明だ。供給不足を経済成長に活かせなければ、それがボトルネックとなるだけでなく、サービスの低下と値段の高騰を招くこと必至。解決とまでいかずとも対応はしなければならない。
NISAは海外転勤の予定がある人は慎重に考えたほうがよいかもしれません。2019年4月から海外転勤等により一時的に出国しても、「継続適用届出書」を提出すると最長5年までNISA口座内で商品保有が可能となりました(新規の買付は不可)。ただ、金融機関の対応は任意で、対応していない金融機関が多いのが現状です。未対応だと、出国時にNISA口座で保有する商品は一般口座に払い出されることも。何度も海外転勤をする可能性がある人は、NISAの利用は慎重に考えましょう。 なお、ジュニアNISAは海外出国時の5年非課税の適用対象外。留学等で非居住者となる場合は口座を廃止し、引き出しておくといったことも検討を。
33年ぶりの賃上げが実現したとはいえ、消費がそこまで盛り上がらない可能性があることには注意が必要でしょう。 というのも、そもそも日本の総世帯のうち約1/3が無職世帯であり、また物価が上がれば年金も上がりますが、マクロスライドにより物価上昇率ほど年金上がりません。 さらに賃上げの一方で、子育て支援金や再エネ賦課金など負担増の話題も目立っていることから、消費者の節約志向は強いままでしょう。 そして何といっても過去の米国の研究によれば、各世代の価値観というのはその世代が18~24歳までの経済環境に一生左右されるとのことですから、特にロスジェネ世代の財布のひもは一生緩まない可能性があると思います。
残業規制を含めた「働き方改革」の課題は、いつも「総論賛成・各論反対」の壁が立ちはだかっている、という点です。少子高齢化を見据えたワークライフバランスのためには不可欠な取組みとはわかっていても、自身の生活や営業活動の利便性が損なわれることにはつい反対してしまう。記事の中で「業界を挙げて取り組まねばならない」とありますが、業界だけで壁は打破できない。 かつて、シートベルトや分煙対策が当たり前になったことにも時間を要しました。残業規制問題も、物流によって恩恵を受ける側の意識改革が必要です。社会心理学的な知見も踏まえた公共政策がなければ「総論賛成・各論賛成」には至らない気がいたします。
実は「子どもの中毒」が強調される動きに、違和感もありました。SNS依存症。それ、大人もですよね。 例えばAndroidスマホなら、「設定→Digital Wellbeing」でアプリごとのその日の使用時間がすぐ出ます。もし、一日数時間であろう自由時間の中でSNSが長すぎると感じて、それでも利用を減らせないなら、依存症の疑いありですね。 さて、こうした規制論にはネットや言論の自由の立場からの反対論が、根強いところです。よくわかりますが、であれば法規制以外でのSNS弊害への実効対策を、規制派の2倍は真剣に考えるくらいの姿勢が必要ですね。無論、規制派の言論の自由への配慮にも、同じことが言えます。
EVの拡大そのものはまだまだ続くことは確実である。ただし最近までの「EV一人勝ち」的な状況、EVに圧倒的に偏ったシフトの展開には変化の様相が顕在化している。消費者にとっての経済性・利便性、インフラ普及の制約、経済安全保障問題、など様々な課題・問題が浮上することで、市場が冷静さを取り戻してきた、ということができるかもしれない。EV拡大の中でも、従来の内燃機関車(ガソリン車など)、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車など、様々なオプションの利害得失を総合的に検討し選択していくことが重要になる。総合的検討と戦略的選択は、消費者にとっても、国家にとっても、共に必要不可欠である。
「FRBの次の一手は利下げ」という基本シナリオが崩れない限り、米国株の強い地合いは変わらないだろう。FRBの当局者たちは、利上げ局面はすでに終了した可能性が高いという立場をとっている。政策金利は景気を下押しする制約的な水準にあるので、目標である2%に向けたインフレ率の下げ渋りをFRBが憂慮する場合でも、リスクマネジメントの観点から、利上げ再開ではなく、政策金利高止まり期間の長期化が選択される可能性が高い。逆に言うと、仮に今後出てくる物価・賃金統計の数字が金融環境の引き締め度合いを急いで強める必要性を示唆するようなものになる場合、「次の一手」は利下げではなく利上げになって、米国株は急落する。
政権内でトランプ氏の思考・行動パターンをつぶさに見た後に同氏と決別したボルトン氏の警告を、日本は真剣に受け止める必要がある。前大統領の行動原理は「ドナルド・トランプの利益になると思うことをする。それが彼を突き動かす原動力」だというコメントは、「ビジネスマン的政治家」であるトランプ氏の本質を突いている。ここで言う「利益」の代表格は「お金」。米国が(外形的に)いくら得をした形になるのかを、仮に第2次政権が発足する場合、トランプ氏は気にするとみられる。日米安保条約は、外形的には米国が金銭的に損をしているように、トランプ氏には見えるだろう。米国が「世界の警察官」を辞めるなら、説得はなおさら難しくなる。
学童大変ですよね、うちも子供を民間学童にみてもらっているので入れてるのはとてもありがたいですが勤務先の東大の数倍の月謝で結構大変です。 絶対数が足りないという問題がもちろん重要ですが、すでに存在するリソースをうまく使えるようにマッチング方法を整備することもこれから必要になってくるかもしれません。日本では認可保育園の利用調整については(いろいろ改善の余地はあるにせよ)希望リストを提出し定められたルールに従い整然とマッチングを決めることで希望をなるべく叶える方法が工夫されています。学童の需要が非常に大きくなった現在このような仕組みを検討する価値があるのではないでしょうか。
2021年に個人情報保護委員会は旧LINEに指導を行ったが、今回の不正アクセスは、同社が指導通りに対応しなかったことが背景のひとつといえる。今回、個人情報保護委員会が公表したLINEヤフーへの指導は、不正アクセス経緯は詳細であり、その点は興味深いが、肝心のLINEヤフーへの指導については、通常の安全管理措置を求める範囲にみえるが、前回の指導が徹底されなかったことを前提にした再指導として十分なのかは疑問が残る。なお、今回の件に関して、総務省は3月初旬にLINヤフーに指導を行ったことを考えると、個人情報保護委員会の対応が迅速だったのかも問われるだろう。