WHO事務局長、コロナ変異型の再出現に警鐘
危機水準下がる可能性も言及
【パリ=白石透冴】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は24日、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」について「これが最後の変異型であるとか、コロナ禍が最終段階に入ったとかと考えるのは危険だ」と警告した。ワクチン接種率を高める努力などを続ければ、今年中に危機の水準が下がる可能性にも言及した。
テドロス氏は同日始まったWHO執行理事会であいさつし、感染者の急増で「変異型が現れる最適な条件が整ってしまっている」と語った。WHOは最大の警戒を要するオミクロン型のような「懸念される変異型(VOC)」は今後も現れるとの見方を示している。
一方で、WHOが2020年1月に宣言した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」にも触れ、「各国が全ての対策を取れば緊急事態を今年中に終えられる」などと説明した。各国がワクチン接種率7割を実現し、変異型の追跡を続けることなどが条件になるとしている。アフリカでは85%の人がまだ一度もワクチンを打っていないと語り、国際的な協力を求めた。
猛威を振るうオミクロン型だが、感染のピークを各国が順次迎えているとの見方がある。バイデン米政権のアンソニー・ファウチ首席医療顧問は23日、米国の状況について「2月中旬になれば大半の州でピークを過ぎる可能性が高い」と語った。「自信過剰になってはならない」とも述べ、感染拡大が続く南部や西部を注視するとした。