インドネシアも利下げ、新型肺炎で「予防的措置」
【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシア中央銀行は20日、政策金利を5%から4.75%に引き下げたと発表した。利下げは昨年10月以来、4カ月ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、インドネシアでも観光客の減少や資源輸出の停滞による景気悪化が懸念されている。金融緩和で景気を下支えする。
インドネシア中銀のペリー総裁は20日の記者会見で「新型コロナウイルスの影響は中国だけでなく、世界経済に影響が出るため、予防的な措置をとる」と述べた。新型コロナウイルスによる観光客の減少をなどを受け、東南アジアでは2月、タイやフィリピンの中銀も利下げに動いた。
インドネシアでは新型コロナウイルスの感染者は確認されていないが、中国からの渡航を制限したこともあり、観光やビジネス客が急減している。また、世界経済の成長鈍化で資源価格が下落すれば、主要産品の石炭などの輸出にも悪影響を与える。インドネシア中銀は2020年の経済成長率の見通しを従来の5.1~5.5%から5~5.4%に引き下げた。