「気候変動踏まえ防災インフラ整備を」 環境相と防災相が声明
小泉進次郎環境相と武田良太防災相は30日、地球温暖化のリスクを踏まえた今後の防災インフラの整備について共同メッセージを発表した。気象災害が激化しているのを受け、これまでの元に戻す「原形復旧」ではなく、自然の力など地域の実情にあわせた「適応復興」の考えを新たな選択肢として示した。政府内でも考えを共有する方針だ。
小泉環境相は同日の記者会見で「今後はあらゆる政策の中に、気候変動と防災を組み込んでいくべきだ」と強調した。「被災した地域を単に元に戻す従来の発想ではなく、自然の性質や地域の特性を生かした適応復興という選択肢を提供したい」と述べた。
武田防災相は「原形復旧の問題点は、地方自治体から多く寄せられている。原形復旧の限界を共有し、新たな適応復興を果たしていきたい」と話した。
今後重視する施策の一つとして、自然の力を活用した「グリーンインフラ」の整備をあげた。森林や湿地などが防災に果たす役割に着目し、既存インフラと組み合わせて活用していく方針だ。
環境省と内閣府は2月から気候変動を踏まえたインフラ整備について意見交換会を開いてきた。30日は国連と協力して気候変動と防災に関する国際シンポジウムをウェブ上で開き、適応復興を政策に取り入れることなどを議論した。