日本製の半導体装置、10月0.9%増 5G投資が堅調
日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、10月の日本製半導体製造装置の販売額が前年同月比で0.9%増の1823億円になったと発表した。前年からの伸び率は減速したものの、高速通信規格「5G」の普及に伴い、演算を担うロジック半導体や半導体受託生産(ファウンドリー)向けの投資が引き続き堅調だった。7月時点での通期見通しと比べて販売は上振れており、米中摩擦の影響も限定的とみられる。
2020年は現時点まで、新型コロナウイルスの感染拡大により世界のデータ通信量が増えたことで、データセンター向けなどの投資を後押ししたとされる。
米中摩擦による投資控えが懸念されていたものの、「今のところ大きな影響はみられない」(SEAJ関係者)という。米政府は9月に中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への半導体供給を制限する規制を課したが、他のスマートフォンメーカーが増産に動いたため、全体では半導体需要を補ったとみられる。
米政府は9月末に中国の半導体受託生産大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)にも規制を実施したが、日本の製造装置出荷に与える影響は限定的だった。ただ、SEAJは今後の設備投資の見通しは依然、不透明としている。(佐藤雅哉)