北朝鮮外相が交代か 後任は軍出身、対米強硬も
【北京=共同】北朝鮮専門サイト「NKニュース」は19日、北朝鮮で対米外交を担ってきた外交官出身の李容浩(リ・ヨンホ)外相が解任され、対韓国窓口機関トップを務めていた軍出身の李善権(リ・ソングォン)氏が後任に指名されたと報じた。平壌の複数の情報筋の話としている。北朝鮮メディアは報じていない。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に近く、党国際部長として外交を統括してきた李洙墉(リ・スヨン)氏も退任したとみられている。金正恩氏は米朝交渉の行き詰まりを受けて、外交布陣を刷新したもようだ。核保有国としての主張を前面に出し、一層の強硬路線に傾く可能性がある。
李善権氏は2000年代半ばから南北軍事会談で北朝鮮代表を務めたほか、対韓国政策を担当する祖国平和統一委員会の委員長を歴任した。対米交渉の経験はなく、外交手腕は未知数だ。
李洙墉氏の後任の党国際部長には金衡俊(キム・ヒョンジュン)前駐ロシア大使が就いたとみられ、中国に加えロシアとの連携強化が進みそうだ。昨年末の党中央委員会総会終了後の写真撮影で李洙墉氏や李容浩氏の姿がなく、更迭されたとの見方が出ていた。
外交筋によると、平壌にある各国大使館には今月17日ごろ外相交代の通知があった。池在竜(チ・ジェリョン)駐中国大使や金星(キム・ソン)国連大使らは18日に一斉に帰国した。今後の外交政策について指示を受けるとみられる。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。