中国が全人代延期へ 24日に正式決定、新型肺炎で
【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が3月5日に開幕する予定だった全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を延期する見通しとなった。新型コロナウイルスによる肺炎の患者が湖北省を中心に増え続けており、感染拡大の封じ込めを優先する。重要政治会議の延期は極めて異例だ。4月に予定していた習氏の国賓訪日など外交日程や経済運営にも影響が出る可能性がある。
中国共産党序列3位の栗戦書(リー・ジャンシュー)全人代常務委員長が17日の会議で、24日の常務委員会で全人代の延期を議論するよう提案した。中国国営の新華社が伝えた。栗氏は習氏の最側近の1人として知られる。
中国の憲法は全人代を「最高の国家権力機関」と明記し、毎年1回開催すると定める。開幕日には李克強(リー・クォーチャン)首相が施政方針に当たる「政府活動報告」を説明し、2020年の経済成長率などの目標を示す予定だった。
全人代は1998年以降、毎年3月5日に開幕している。3月以外の開幕は84年まで遡る。3月3日に開幕する国政助言機関である全国政治協商会議(政協)も延期になる公算が大きい。
全人代と政協の会期中は31の省や直轄市、自治区と人民解放軍が選出する約3000人の全人代代表と、企業や各種団体の代表など約2000人の政協委員らが北京に集まる。集団感染の危険性や、地方の指導者が地元を離れて対策が滞るリスクが指摘されていた。
全人代に先立ち、省や市など地方で開く人民代表大会も延期が相次いでいる。党内で「地方で議会が開けないのにどうして全人代が開幕できるのか」との意見がでていた。共産党は肺炎リスクを抑えるために人混みを避け、集まりを減らすように指導していた。
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