デモで3900人拘束 インドネシア、施設破壊も
【ジャカルタ=共同】インドネシア国家警察は9日、国会で5日に可決された雇用創出に関する制度一括改正(オムニバス)法に抗議する大規模デモで、全土で約3900人を拘束したと明らかにした。デモは6日に始まり、警官と市民計200人以上が負傷した。
首都ジャカルタでは8日に一部が暴徒化。警察によると、18の警察詰め所や16のバス停のほか、政府庁舎や映画館が放火やガラスが割られるなどの被害に遭った。日本大使館前のバス停も放火で屋根が焼け落ちて使用不能になった。
同法は、海外からの投資を促すため、退職金規定や最低賃金の算出法変更を定めており、労働組合などが反対していた。
ジョコ大統領は9日のオンライン演説で、法律の概要を説明。「求職者にできるだけ多くの仕事を提供するほか、起業や中小企業の新規事業開始をたやすくするものだ」と述べ、国民の理解を求めた。
警察は、周辺の西ジャワ州やバンテン州から来た若者や学生グループが意図的に混乱を引き起こしたとみている。
デモでは密集状態が発生。拘束された145人に新型コロナウイルス感染の疑いがあり、一部が隔離施設に収容された。