NY商品、原油が小幅上昇 米国需給の引き締まりを意識 金は反落
【NQNニューヨーク=岩本貴子】19日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は小幅に上昇した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の9月物は、前日比0.04ドル高(0.1%)の1バレル42.93ドルで取引を終えた。米国内の原油需給が引き締まりが意識された。ただ、主要産油国の協調減産の動向を見極めたい市場参加者が多く、買いは限られた。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計によると、14日時点の原油在庫は前の週に比べて160万バレル減少した。減産に加え、経済活動の再開を受けて米国内の原油需要が持ち直しているようだ。ロイター通信が19日、サウジアラビアのエネルギー相が「世界の原油需要は2020年10~12月期にもコロナ前の水準を回復する」と述べたと伝えたことも買いを促した。
ただ、相場の上値は重かった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国から成るOPECプラスは19日に会合を開いている。協調減産の順守率や今後の減産幅など協議内容を見極めたいとして、積極的な買いは控えられた。
米連邦準備理事会(FRB)が19日公表した7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、コロナの経済への悪影響が続くことに懸念が示された。足元の原油需要回復の持続性には懐疑的な見方もあり、上値を抑えた。
ニューヨーク金先物相場は反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比42.8ドル安(2.1%)の1トロイオンス1970.3ドルで取引を終えた。外国為替市場でドル安が一服し、ドルと逆の動きになりやすい金先物には売りが出た。