個人間送金の手数料下げ 3メガバンク・りそな発表
3メガバンクとりそな銀行、埼玉りそな銀行は6日、新しい送金の枠組みづくりで合意したと発表した。少額決済に向く安価なインフラを構築し、高止まりが指摘される手数料の引き下げにつなげる。地域金融機関やキャッシュレス決済の事業者に参加を呼びかける。
買い物の際に銀行口座から代金を直接引き落とす「Jデビット」の基盤を使って開発する。すでに1千を超える金融機関が接続しており、早期に低コストのシステムを開発しやすいという。三井住友銀行決済企画部の川越洋部長は「幅広く参加してもらえる(決済の)ナショナルインフラにしたい」と話した。
スマートフォンをかざして決済する「○○ペイ」が普及するなか、スマホ決済の事業者が加盟店に送金する際の手数料が割高だとの不満は根強い。キャッシュレス化を妨げる要因とみる政府は、7月に決めた成長戦略に手数料の引き下げ方針を盛り込んだ。
多くの金融機関や企業を巻き込めるかは不透明だ。既存の全銀システムは送金を受ける側の銀行が手数料も受け取るしくみで、大手行から地方銀行への支払いが大幅に超過している。新たなインフラが浸透すれば地銀の減収は必至で「参加は自らの首を絞めるようなものだ」との声があがる。
キャッシュレス決済の事業者にとって手数料の引き下げは利点となる。ただ、独自のシステムで利用者を増やしてきた経緯もあり、複数の事業者が使える少額決済システムの構築を警戒する意見もある。三井住友銀の川越氏は「囲い込みを優先して接続しない事業者もあるだろう」と認める。
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