SUMCO、2カ月ぶり高値 半導体関連懸念和らぎ
銘柄診断
13日の東京株式市場でSUMCOの株価が一時61円(4%)高の1628円と2カ月ぶり高値を付けた。米大統領選で民主党のバイデン候補が優位との見方から、国内外の機関投資家を中心とした買いが入った。米国と中国の半導体をめぐる対立が解消に向かうとの期待があるようだ。終値は8営業日続伸して前日比50円(3%)高。売買代金は129億円と前日比2.2倍に膨らんだ。
SUMCOは半導体基板材料のシリコンウエハーで世界シェア2位。中国電機大手ファーウェイ向けの供給など半導体を巡る米中対立が激しくなり、8~9月は株価が下落基調だった。「(日本時間14日午前2時に予定された)米アップルのiPhone新製品イベントへの期待も高まっていた」(松井証券の窪田朋一郎氏)という。
10月に入って株価は10%高。同3%高にとどまるシリコンウエハー最大手の信越化学工業は、塩化ビニール樹脂などの事業を手掛けている。SUMCOはウエハー事業の収益構成が大きく「需要の回復が期待される場面では選好して買われやすい」(窪田氏)面もあるようだ。
ただ信用取引の買い残を売り残で割った信用倍率は9日時点で6.00倍だった。「当面は個人の戻り売りが出やすく、上値は重いだろう」(岡三証券の小川佳紀氏)との指摘もあった。