新型コロナの有望薬「レムデシビル」、大規模治験へ
【ニューヨーク=西邨紘子】米国立衛生研究所(NIH)が新型コロナウイルス治療の有望薬候補とされる「レムデシビル」の世界規模での治験に着手する。同薬は米製薬ギリアド・サイエンシズがエボラ出血熱の治療薬として開発した。コロナウイルス系疾患に効果が期待できるとの研究結果があり、中国などで新型コロナの患者に試験的に投与されてきた。治験で改めて安全性と効果が確認できれば、治療薬の第1弾として早期承認への期待が高い。
治験は、NIHの一部門である米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が主導、米ネブラスカ大学と協力して進める。世界50カ所で偽薬とレムデシビルを患者に投与し、治療効果を検証する。治験参加数は400人程度を想定しており、既に募集を始めた。
レムデシビルは、これまでに中国や日本で新型コロナ患者に試験的に投与されてきた。中国では現地の研究機関やギリアドが新型コロナ患者を対象に同薬の治験を進めている。中国の現地を視察した世界保健機関(WHO)代表が24日に同薬について「現時点で本当に治療効果があるとみられる唯一の薬」と発言したことで、注目が高まっていた。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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