新国立競技場の建設現場公開 工事は9割完了
2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる「新国立競技場」(東京・新宿)の建設現場が3日、報道陣に公開された。競技場内の観客席は7割が設置され、工事は全体の9割ほどが完了した。11月末に完成を迎える。
競技場内部では、客席スタンドの南側と北側には大型スクリーンが設置され、フィールドは芝生を張るための砂が敷かれていた。競技場を運営する日本スポーツ振興センター(JSC)によると、月内には芝生を張る作業が始まる見通しだ。
新国立競技場では大会期間中、開閉会式や陸上競技が開催される。3階層になっているスタンドには、茶や深緑など5色に配色された約6万の観客席が設置され、このうち500席は車いす専用座席となる。
防災面に配慮し、災害発生時はどの席からでも15分以内に外部に避難できるように設計したという。備蓄倉庫も備え、帰宅困難者向けに水や保存食などが保管される。
建築家の隈研吾氏が設計し、国産木材を多く活用したデザインが特徴。16年12月に着工し、今年5月には「最難関の工事」といわれた木材と鉄骨を組み合わせた屋根も完成した。整備費は1500億円以上に上る。
大会後にはフィールドの一部を観客席に改修し、サッカーやラグビーなど球技専用の8万席規模の施設となる予定だ。