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コロナ感染死、把握漏れも 「超過死亡」200人以上か

東京23区2~3月 必要な統計公表遅く、対策左右も

(更新)
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新型コロナウイルスの感染が拡大した2月中旬から3月までに肺炎などの死亡者が東京23区内で200人以上増えた可能性がある。同じ期間に感染確認された死亡数は都全体で計16人。PCR検査で感染を確認されていないケースが潜み、把握漏れの恐れがある。こうした「超過死亡」の分析に必要な政府月報の公表は2カ月遅れで、欧米の対応と差が出ている。

肺炎などの死亡数は、国立感染症研究所が「インフルエンザ関連死亡迅速把握システム」に基づき、公表している。

集計では各保健所が死亡診断書の死因のうち、インフルエンザか肺炎を含む死亡数を入力する。感染研が過去の流行状況から推定した「流行なしの死者数」と比較し、統計的な誤差を超えた場合に超過死亡と判断する。

超過死亡

 感染症が流行した一定の期間の死亡数が、過去の平均的な水準をどれだけ上回っているか示す指標。インフルエンザの流行を評価するために開発された。肺炎など直接関連する死因で比べると、持病で死亡して医師が感染を疑わずに検査していないケースも含め流行の影響を推定できる。
 すべての死因で比較すると、外出自粛などの対策による交通事故死や自殺の増減を含め、流行と対策が社会に与えた影響を総合的に推定できる。国際比較の指標にもなる。

現時点の公表データによると、超過死亡は2月17日の週から3月下旬まで5週連続で発生。流行がなかった場合を50~60人上回り、計200人を超える。感染研が定義する「統計的な誤差を上回った死者数」という超過死亡数でも5週連続で20~30人程度に上る。実数は公表していない。

超過死亡は19年後半も発生。インフルエンザの流行が早く、東京都で12月上旬に流行が拡大した影響とみられる。年明けには終息しており、再び超過死亡が発生した2月中旬以降は新型コロナが影響した可能性がある。

感染研は「集計は例年、インフルエンザの流行が終わる3月末の死亡日までが対象。入力期限の5月末以降でないと今シーズン全体の分析はできない」としている。

世界保健機関(WHO)は感染症の影響を分析する指標として超過死亡を推奨している。

肺炎以外を含む総死亡数は厚生労働省が人口動態調査で死亡数などを毎月集計。都道府県からの報告は省令で「翌々月の5日まで」と定められ、公表は約2カ月後だ。検査未確認の死亡数が増えたとみられる4月分の公表は6月下旬になる。

集計が遅いのは、届け出の電子化が進んでいないこともある。手書きの死亡届を受けた市区町村は電子システムに入力して保健所に送付するのに「一定の期間が必要」(同省)なためだ。

欧米では迅速な死亡数の集計・公開が進む。

3月以降、感染が急拡大した米ニューヨーク市は、死亡数をリアルタイムで把握する電子統計報告システムを開発した。

市保健当局によると、WHOがパンデミックを宣言した3月11日から5月2日までの全死亡数は3万2107人。過去5年と比較し、2万4172人を超過死亡と推定。この間に1万8879人が検査などで感染を確認されており、残り5293人(22%)も「直接か間接的にパンデミック関連で死亡した可能性がある」と発表している。

欧米メディアは公開データに基づき、死亡数は新型コロナで死亡したと報告された数より5~6割程度多く、超過死亡があると分析している。

英医学誌ランセットは「週単位で超過死亡を把握することがパンデミックの規模を評価して適切な対策を打ち出すために最も必要」と指摘する。

第2波に備え、検査の拡充や感染症に応じた医療態勢の強化だけでなく、データの公開が不可欠。横浜市立大学の五十嵐中・准教授(医療経済)は「迅速にデータを収集・公開し、民間とも連携し対策に役立ててほしい」と訴える。

(社会保障エディター 前村聡、高橋そら)

新型肺炎

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前村 聡

カバージャンル

  • 医療・介護
  • 厚労行政
  • 災害

経歴

日経実力病院調査を企画したほか、がん、心臓、脳疾患、老衰、医療費の実態を公開データなどからデータジャーナリズムの手法で市区町村別に分析、「見える化」した記事を執筆しています。厚生労働省担当として医療安全、薬害、感染症対策、児童虐待、食品安全、過労死問題などのほか、阪神大震災、東日本大震災、熊本地震など災害取材も多く、安全・安心な社会のあり方を模索しています。現職は医療面編集長。共著に「医療再生」「砂上の安心網」など。

活動実績

2024年4月6日 日本弁護士連合会の連続シンポジウムで「京都ALS嘱託殺人事件から考える課題」を講演
2024年2月16日 医療政策アクティブネットワークの講座で「患者・市民参画の動き」を講義
2024年1月18日 東京財団政策研究所のオンラインシンポジウム「あなたが最期を迎えるなら、自宅がよいですか?病院がよいですか?~看護がつなぐ医療と暮らし~」にパネリストとして登壇しました
2023年12月18日 東京大学大学院公衆衛生学講座で「医療政策の決定過程とメディアの役割」を講義
2023年12月1日 医療政策アクティブネットワークの講座で「医療を動かす講座が目指すもの」を講義
2023年11月24日 国際医療福祉大大学院で「新興感染症対策のPDCA管理のための指標とデータ」を講義
2023年11月2日 日本公衆衛生学会総会で「ロジックモデルを活用した新興感染症の地域医療計画」を講演
2023年11月1日 日本公衆衛生学会総会で「新型コロナ、メディアは責務を果たしたのか」を講演
2023年9月17日 キャンサーネットジャパンの養成講座で「がん対策推進基本計画~患者・家族が動かしたがん政策」を講演
2023年8月12日 地域医療計画評価ネットワークの意見交換会で「新興感染症分野の医療計画策定に向けて」を講演
2023年6月7日 東北医薬品卸業連合会の定時総会記念講演会で「どうする社会保障〜コロナ禍3年の課題と希望」を講演
2023年4月 共著「新型コロナウイルス感染症対応記録」を日本公衆衛生協会から出版
2023年4月7日 新時代戦略研究所のラウンドテーブル3回目で「医療政策の立案に患者・市民が参画するために必要な仕組みづくり ~『代表性』のこれまでとこれから」を講演
2023年3月25日 医療事故・紛争対応研究会の年次総会で「医療事故は減少したのか」を講演
2023年2月10日 雑誌「PHASE3(フェイズ・スリー)」2023年3月号の連載「高橋教授のこの人に会いたい」で対談記事掲載
2023年2月7日 新時代戦略研究所「なぜ今、医療政策立案への患者・市民の声が必要か」のラウンドテーブル2回目に登壇
2022年12月19日 新時代戦略研究所「なぜ今、医療政策立案への患者・市民の声が必要か」のラウンドテーブルに登壇
2022年12月9日 国際医療福祉大大学院で「新興感染症対策のロジックモデルと指標で、地域別データを読む」を講義
2022年10月8日 日本公衆衛生学会総会で「第8次医療計画と『感染症』〜続・新型コロナの教訓をどう活かすか?」を講演
2022年8月6日 日本赤十字社九州ブロック血液センター主催のシンポジウムで「日本のコロナ『敗戦』〜医療安全の行き詰まりとの共通点」をテーマに講演
2022年7月31日 医療事故・紛争対応研究会で「記者の立場から見た情報開示」をテーマに講演
2022年7月14日 消費者関連専門家会議(ACAP)の「アクティブシニア研究会」で「データで読み解く高齢社会の現状と課題」をテーマに講演
2022年5月27日 国際医療福祉大大学院で「新型インフルの行動計画の検証と感染症計画のあり方」を講義
2022年3月30日 米国研究製薬工業協会主催の会議で「米国と日本の患者団体のあり方と課題」を講演
2022年3月28日 国会議員主催の勉強会で「次なるパンデミックに備えた医療提供体制等の改革」を講演
2022年3月26日 医療事故・紛争対応研究会の年次総会で「新型コロナと日本の医療提供体制の課題」を講演
2022年2月28日 日本総合研究所「持続可能で質の高い医療提供体制構築に向けた研究チーム」のラウンドテーブルに登壇
2022年1月30日 CancerX Summit 2022でパネル討論「がんの社会課題にみえるギャップ」に登壇
2022年1月20日 企業の管理者向けセミナ―で「コロナで浮き彫り、日本医療の脆弱性を考える」を講演
2021年12月22日 日本公衆衛生学会総会で「第8次医療計画と『感染症』〜新型コロナの教訓をどう活かすか?」を講演
2021年12月13日 東京大学大学院公衆衛生学講座で「医療政策の決定過程〜コロナ禍でPublic Healthに期待される役割」を講義
2021年12月10日 共著「事例から学ぶ『医療事故調査制度』活用BOOK」を篠原出版新社から出版
2021年11月26日 国際医療福祉大大学院で「地域の課題抽出のために医療・介護・福祉・社会の横断的データセットを活用する」を講義
2021年10月31日 医療事故・紛争対応研究会で「記者の立場から見た情報開示」をテーマに講演
2021年10月28日 横浜日経懇話会で「医療における社会課題の解決と民間の役割」をテーマに講演
2021年10月27日 政策懇談会で「新型コロナで浮き彫りになった医療提供体制の課題」をテーマに講演
2021年10月2日 東海青年医会パネルディスカッションで「コロナ禍の教訓をどう活かすか」をテーマに講演
2021年8月26日 日本経済社で「医療における社会課題の解決と民間の役割」をテーマに講演
2021年4月23日 国際医療福祉大大学院で「医療関係計画PDCAサイクルのこれまでとこれから」を講義
2021年3月27日 医療事故・紛争対応研究会で「医療安全対策をめぐる過去30年間の総括と今後の課題:社会の視点から」をテーマに講演
2020年12月26日 メディカルジャーナリズム勉強会「新型コロナ、メディアは責務を果たしたか」に登壇(オンライン開催)
2020年12月14日 東京大学大学院公衆衛生学講座で「新型コロナ政策の決定過程」を講義
2020年10月22日 日本公衆衛生学会シンポジウムで「医療計画とがん計画の中間評価 あるべきインパクト評価とEBPM普及への道」を講演
2020年10月4日 医療事故・紛争対応研究会で「記者の立場から見た情報開示」をテーマに講演
2020年10月2日 国際医療福祉大大学院で「新型コロナウイルス対策とデータジャーナリズム」を講義
2020年9月27日 日本ヘルスコミュニケーション学会特別シンポジウム「新型コロナウイルス感染症に関するリスクコミュニケーション」で指定発言
2020年8月25日 「日経実力病院調査 2020-2021年版 (日経ムック) 」を日経BPから出版
2020年6月19日 日経xTECHオンラインセミナー「新型コロナ死者数、本当は? 『超過死亡』で見えた政府統計システムの大問題」をテーマに講演
2020年5月22日 国際医療福祉大大学院で「政策評価と日本の医療の将来」をテーマにオンライン講義
2020年5月12日 共著「無駄だらけの社会保障」(日経プレミアシリーズ)を日経BPから出版
2020年4月20日 共著「新型インフルエンザパンデミックに日本はいかに立ち向かってきたか」を南山堂から出版
2020年3月28日 ヘルスケア発信塾「感染症危機の情報発信を考える~新型コロナウイルス感染症対応について」登壇(オンライン開催)
2020年2月2日 CancerX summit2020でパネルディスカッション「がんと言われても動揺しない社会に向かって」に登壇
2020年2月2日 患者の声協議会の勉強会で「公開データによる地域医療の現状の見方を講演
2019年12月16日 東京大学大学院公衆衛生学講座で「医療政策の決定過程」を講義
2019年11月29日 医療の質・安全学会で「市民に医療安全を伝えるには」をテーマに講演
2019年9月29日 日本遺伝看護学会で「あなたを支える医療情報の伝え方」をテーマに講演
2018年2月 共著「2030年からの警告 社会保障 砂上の安心網」を日本経済新聞出版社から出版

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