ミドリムシでサプリ・地鶏 ユーグレナ、秋田2社と開発
ユーグレナはミドリムシを使ったサプリメントやミドリムシ入りの飼料で育てた比内地鶏を投入した。秋田県内の企業2社と共同で開発した。県が地方創生推進交付金で創設した「ローカルイノベーション誘発促進事業」の補助を得て研究開発を進めてきた。
ミドリムシは昆布やワカメの仲間で藻の一種。植物性と動物性の栄養素を兼ね備え、59種類に及ぶ。効率的にたんぱく質を吸収する特徴があるという。
「みどり麹(こうじ)」は麹菌の種を生産・販売する秋田今野商店(秋田県大仙市)と共同で開発した。蒸したコメに麹菌とミドリムシを振りかけて生育を促し、完成させる。酵素の力が通常より2倍以上になるという。7月にユーグレナがみどり麹を摂取できるサプリメントを発売した。
一方、ミドリムシとクロレラを入れた飼料で育てた比内地鶏は「み鶏(どり)」と名付けた。秋田県畜産試験場や折林ファーム(秋田県由利本荘市)と研究を重ねてきた。うまみ成分のアラキドン酸の含有量が増加し、脂の黄色みが増したという。み鶏を使ったメニューはバルニバービが展開する東京都内のレストラン5店で9月末まで期間限定で提供されている。
2日に佐竹敬久知事に研究成果を報告したユーグレナの鈴木健吾CTO(最高技術責任者)は「ミドリムシの技術を秋田の日本酒などにも応用していきたい」と話した。秋田今野商店の今野宏社長は「ミドリムシと麹菌の機能はまったく異なり、組み合わせることによって『1+1=2』ではなく、10や20になる可能性がある」と説明した。